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大阪大学 2012年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第3問

xy平面上で考える.
不等式y<x2+16の表す領域をDとし,
不等式x1+y1の表す領域をEとする.
このとき,以下の問いに答えよ.

(1) 領域Dと領域Eをそれぞれ図示せよ.

(2) A(a,b)を領域Dに属する点とする.
A(a,b)を通り傾きが2aの直線と放物線y=x2+16で囲まれた部分の面積をS(a,b)とする.
S(a,b)abを用いて表せ.

(3)A(a,b)が領域Eを動くとき,S(a,b)の最大値を求めよ.

難易度6/ 10計算量6/ 10目安25

図形と方程式積分微分 面積計算微分による最大最小、絶対値の処理

方針

(1) では D を放物線 y=x2+16 の下側、E を中心 (1,0)、対角線が座標軸方向のひし形として読み替える。(2) では、点 A(a,b) を通り傾き 2a の直線が、放物線の x=a における接線と平行であることを使い、放物線との差を h(xa)2 の形に平方完成する。(3) では S(a,b)16a2b の増加関数であることから、E 上で a2+b を最小にする問題へ落とし、ひし形の下側境界を2区間に分けて調べる。

解答

(1)
Dy<x2+16 で表されるので、放物線 y=x2+16 の下側の領域である。境界の放物線そのものは、< であるため D には含まれない。

一方、Ex1+y1 である。これは点 (1,0) から、横方向と縦方向のずれの和が1以下である点全体だから、頂点 (0,0),(1,1),(2,0),(1,1) をもつひし形の内部および周である。

境界の包含関係も含めると、2つの領域は次のようになる。

(2)
A(a,b) を通り傾きが 2a の直線は yb=2a(xa) すなわち y=2ax+2a2+b である。放物線 y=x2+16 とこの直線の縦方向の差をとると (x2+16)(2ax+2a2+b)=16a2b(xa)2 である。

ここで h=16a2b とおく。A(a,b)D に属することは b<a2+16 すなわち h>0 を意味する。したがって2つの曲線の交点は h(xa)2=0 よりx=ah,x=a+hで与えられる。

よって囲まれた部分の面積はS(a,b)=aha+h{h(xa)2}dxである。u=xa とおくとS(a,b)=hh(hu2)du=20h(hu2)duであり、2[huu33]0h=2(hhhh3)=43hhとなる。したがって S(a,b)=43(16a2b)3/2 である。

(3)
(2)より、S(a,b)16a2b が大きいほど大きくなる。したがって A(a,b)E を動くときの S(a,b) の最大値を求めるには、E 上で a2+b の最小値を求めればよい。

E に属する点では a1+b1 であるから、まず 0a2 である。また、a を固定したとき、b の最小値は b=(1a1) である。

0a1 のときは a1=1a だから b=a が下側境界であり、a2+b=a2a=(a12)214 となる。よってこの区間での最小値は、a=1/2 のとき 14 である。

1a2 のときは a1=a1 だから b=a2 が下側境界であり、a2+b=a2+a2 となる。この式は 1a2 で増加するので、最小値は a=1 のとき 0 である。

したがって E 上での a2+b の最小値は 14 であり、このとき 16a2b=16(14)=654 となる。よってS(a,b)43(654)3/2=4365658=65656である。

実際に a=1/2,b=1/2E に属するので、この値は達成される。したがって最大値は 65656 である。

総評

放物線と平行な直線で切り出される面積を、平方完成で一気に標準形へ落とす問題である。目安時間は25分。(2) では A が放物線上にあるわけではなく、直線の傾きだけが x=a の接線と同じである点を読み違えやすい。面積計算では h=16a2b>0 を確認してから積分区間を出すと、根号の扱いが自然になる。(3) はひし形全体を漫然と調べるのではなく、固定した ab を最小にすればよいと見抜くことが核心で、下側境界を 0a11a2 に分ける整理が得点差になる。

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出典: 大阪大学 2012年度 前期日程 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。