方針
方程式の左辺を Fa(x) とする。x>a では (4x3−1)(x−a) が狭義増加するため、端点 a,a+1 での符号から最大解の位置と一意性を同時に示せる。自然数 n では (1) により r(n)=s(n)−n。方程式を bn=s(n){s(n)−n} の形に直して極限を求める。(3)は、x−n=3/(4x) となる比較点を置き、実際の解がその点より小さいことから bn<3/4 を示す。
解答
(1) Fa(x)=(4x3−1)(x−a)−3a2+1とおく。x>a≧1 では 4x3−1>0 であり、4x3−1 と x−a はともに正で狭義増加するから、その積も狭義増加する。したがって Fa(x) は x>a で狭義増加する。
またFa(a)=1−3a2<0であり、Fa(a+1)=4(a+1)3−3a2=4a3+9a2+12a+4>0である。よって a<x<a+1 にただ1つの解があり、x≧a+1 には解がない。この解より大きい実数解は存在しないのでa<s(a)<a+1である。
(2) (1)で a=n とすると n<s(n)<n+1 だから、[s(n)]=n、r(n)=s(n)−n である。方程式より(4s(n)3−1){s(n)−n}=3n2−1.したがってbn=s(n){s(n)−n}=4s(n)2−1/s(n)3n2−1.(1)より 1<s(n)/n<1+1/n であるから s(n)/n→1 である。分子・分母を n2 で割ればn→∞limbn=43.(3) 各自然数 n に対し、x>n でx−n=4x3を満たす点を xn とする。この点では xn(xn−n)=3/4 である。またFn(xn)=(4xn3−1)4xn3−3n2+1=3(xn2−n2)+1−4xn3.ここで xn−n=3/(4xn) よりxn2−n2=(xn−n)(xn+n)=43(1+xnn).したがってFn(xn)=49(1+xnn)+1−4xn3>0.一方 Fn(s(n))=0 であり、(1)で示したように Fn は x>n で狭義増加するから s(n)<xn である。関数 x(x−n) も x>n で狭義増加するのでbn=s(n){s(n)−n}<xn(xn−n)=43.よって c=3/4 なら条件(P)は成り立ち、c>3/4 でも成り立つ。反対に c<3/4 なら、(2)の bn→3/4 より十分大きい n で bn>c となる。したがって求める範囲はc≧43である。
総評
難度8、計算量6。想定時間は30分程度。(1)で単なる中間値の定理だけを述べると「最大の実数解」である根拠が不足するため、x>a における狭義増加まで書く必要がある。(2)は s(n)/n→1 を (1) から直接得て、未知の小数部分を無理に展開しないことが鍵。(3)では極限が 3/4 というだけでは c=3/4 が許されるか決まらないので、全ての n に対する厳密な上界 bn<3/4 を別途示す点が最大の採点ポイントである。
冊子PDFで見る阪大の方程式・不等式の問題で問題集を作る
出典: 大阪大学 2012年度 後期 理系 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。