方針
(1) はx+y=cのもとでxy≦c2/4を使う。式は1+(c+1)/(xy)なので,最小値はxyが最大のとき,すなわちx=y=c/2で取る。(2)はzを固定してx+y=1−zとし,(1)を適用する。ただし第3因子1−4/(3z)は0<z<1で負なので,積を最大にするには前半2因子を最小にする必要がある。よってx=y=(1−z)/2に絞り,残った1変数関数を微分して最大値を求める。
解答
(1) x+y=cであるから(1+x1)(1+y1)=1+x1+y1+xy1=1+xyx+y+1=1+xyc+1である。正の実数x,yについて,和がcに固定されているとき xy≦(2c)2 であり,等号はx=y=c/2のときに成り立つ。したがって(c+1)/(xy)はxyが最大のときに最小となるので,求める最小値は 1+c2/4c+1=1+c24(c+1) である。
(2) zを固定する。0<z<1であり,x+y=1−zである。(1)をc=1−zとして用いると,(1+x1)(1+y1)≧1+(1−z)24(2−z)であり,等号は x=y=21−z のときに成り立つ。
一方,0<z<1では 1−3z4<0 である。したがって全体の積を最大にするには,正である前半2因子の積をできるだけ小さくすればよい。よって最大値の候補は x=y=21−z のときに得られる。
このとき与式の値をF(z)とするとF(z)={1+(1−z)24(2−z)}(1−3z4)=3z(z−1)2(z−3)2(3z−4)である。0<z<1で微分すると F′(z)=3z2(z−1)34(z−3)(2z−3)(2z−1) である。0<z<1ではz−3<0,2z−3<0,z−1<0なので,F′(z)の符号はz=1/2を境に正から負へ変わる。したがってF(z)はz=1/2で最大となる。
よって最大値はF(21)={1+(1/2)24⋅23}(1−3/24)=25(−35)=−3125である。このとき z=21,x=y=41 で等号が成り立つ。
別解
解法2
方針
(1) は相加相乗平均から1/x+1/yと1/(xy)を同時に評価する。(2)は負号を外して正の式の最小値問題へ変換し,まず(1)の等号条件でx=yに絞る。残るzの式は,目標値との差を平方因子へ分解して微分せずに評価する。
解答
(1) x+y=cよりx1+y1=xyc.また相加相乗平均からxy≦c2/4なのでx1+y1≧c4,xy1≧c24.したがって(1+x1)(1+y1)=1+x1+y1+xy1≧1+c4+c24=1+c24(c+1).等号はx=y=c/2のときに成り立つ。
(2) 与式をPとする。0<z<1なのでP=−(1+x1)(1+y1)3z4−3z.ここでx+y=1−zだから,(1)より(1+x1)(1+y1)≧(1−z)2(3−z)2,等号はx=y=(1−z)/2で成り立つ。(4−3z)/(3z)>0より−P≧3z(1−z)2(3−z)2(4−3z).さらに3z(1−z)2(3−z)2(4−3z)−3125=3z(1−z)24(2z−1)2(9−8z)≧0である。したがって−P≧125/3,すなわちP≦−3125.等号はz=1/2かつx=y=(1−z)/2=1/4のときに成り立つので,これが最大値である。
総評
難度6,計算量5。目安時間は22分。(1)は固定和のもとで積xyが最大になる点を使う基本問題。(2)の落とし穴は,1−4/(3z)が0<z<1で負になることにより,不等式の利用方向が反転する点である。固定したzでx=yに絞った後は1変数の微分だが,端点では値が−∞へ向かうので,z=1/2の極大が最大値になる。等号条件(x,y,z)=(1/4,1/4,1/2)も書くと完成度が高い。
冊子PDFで見る阪大の方程式・不等式の問題で問題集を作る
出典: 大阪大学 2016年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。