方針
f(t)=f(1/t) という対称性に着目する。(1)では差 h(t)=g(t)−g(1/t) を微分して正値を示す。(2)は f(t)=f(s) を二次方程式にして解を s,1/s と特定し、(1)で対応する2点が異なることを確認する。(3)は t≧1 側を共通の x の媒介変数として、上下の曲線の差に dx=f′(t)dt を掛けて面積を積分する。
解答
(1) h(t)=g(t)−g(1/t) とおく。g(1/t)=t−2+2logt であるからh(t)=t2−t21−4logt.したがってh′(t)=2t+t32−t4=t32(t2−1)2.t>1 では h′(t)>0 であり、h(1)=0 だから h(t)>0 である。よって g(t)>g(1/t) が成り立つ。
(2) f(t)=f(s) はt+t1=s+s1と同値である。両辺を整理すると(t−s)(t−s1)=0となるから、t=s または t=1/s である。
s=1 のときは2つの値が一致するので共有点は1個である。s>1 のときは s=1/s であり、(1)より g(s)>g(1/s) だから、同じ x 座標をもつ異なる2点になる。したがって共有点は2個である。
曲線の2枝と縦線の位置関係は次のようになる。
形状を見やすくするため、図では a=3 としている。
(3) 1≦t≦a とする。このとき f′(t)=21(1−t−2)≧0 であり、同じ x=f(t) における上側の点は (f(t),g(t))、下側の点は (f(t),g(1/t)) である。(1)より上下関係も確定している。よって求める面積を S とするとS=∫1a{g(t)−g(1/t)}f′(t)dt.したがってS=21∫1a(t2−t21−4logt)(1−t21)dt=21∫1a(t2−1−t21+t41−4logt+t24logt)dt.ここで部分積分により∫t2logtdt=−tlogt+1である。したがってS=21[3t3+3t−4tlogt−t3+4logt−3t31]1a=6a3+23a−2aloga−2a3+4loga−6a31.
総評
難度7、計算量7。想定時間は25分程度。t と 1/t が同じ x 座標を与えることを見抜くのが最重要で、(1)(2)は(3)の上下2枝を正しく定めるための誘導である。面積では dy ではなく dx=f′(t)dt を使い、上下の高さを g(t)−g(1/t) とする。最後の積分は展開項が多いため、項 (logt)/t2 の原始関数を部分積分で別に求め、下端 t=1 で原始関数が0になることを検算に使うとよい。
冊子PDFで見る阪大の関数の問題で問題集を作る
出典: 大阪大学 2012年度 後期 理系 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。