Evolton

大阪大学 2013年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第1問

xy平面において,点(x0,y0)と直線ax+by+c=0の距離はax0+by0+ca2+b2である.これを証明せよ.

難易度3/ 10計算量3/ 10目安10

図形と方程式ベクトル 座標設定ベクトル成分計算、計算整理

方針

直線の法線ベクトルが (a,b) であることを使う。点 P(x0,y0) から直線へ下ろした垂線の足 H を、P から法線方向へ移動した点として表す。H が直線上にある条件から移動量を決め、その長さを計算する。

解答

P(x0,y0) と直線L: ax+by+c=0を考える。ただし、a,b は同時に 0 ではないからa2+b2>0である。

直線 L の法線ベクトルは (a,b) である。P から L に下ろした垂線の足を H とすると、ある実数 λ を用いてH=(x0λa, y0λb)と表せる。

HL 上にあるのでa(x0λa)+b(y0λb)+c=0.したがってλ=ax0+by0+ca2+b2.よってPH=(λa)2+(λb)2=λa2+b2=ax0+by0+ca2+b2.垂線の長さ PH が点 P と直線 L の距離だから、求める公式が示された。

別解

解法2(直線上の点までの距離を評価)

方針

直線上の任意の点 Q までの距離に共通の下限を与え、その下限が実際に垂線の足で達成されることを示す。評価には、2変数の恒等式から得られるコーシー・シュワルツの不等式を用いる。

解答

直線 L 上の任意の点を Q(X,Y) とし、u=Xx0,v=Yy0とおく。aX+bY+c=0 だからau+bv=(ax0+by0+c)である。

恒等式(a2+b2)(u2+v2)(au+bv)2=(buav)2の右辺は 0 以上なのでau+bva2+b2u2+v2である。したがって、直線上のどの点 Q に対してもPQ=u2+v2ax0+by0+ca2+b2.ここでλ=ax0+by0+ca2+b2,Q0=(x0λa, y0λb)とおくと、直接代入して Q0L 上にある。またPQ0=λ(a,b)だから、上の不等式では等号が成立する。

したがって直線上の点までの距離の最小値はax0+by0+ca2+b2であり、これが点 P と直線 L の距離である。

総評

難度3、目安時間10分。公式を暗記して使う問題ではなく、公式そのものを証明する問題である。解法1では法線方向の移動量の符号が最後に絶対値になること、解法2では「下から評価する」だけで終わらず、その下限を達成する直線上の点を示すことが重要である。

冊子PDFで見る阪大の図形と方程式の問題で問題集を作る

出典: 大阪大学 2013年度 前期日程 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。