Evolton

大阪大学 2014年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第4問

半径1の2つの球S1S2が1点で接している.
互いに重なる部分のない等しい半径を持つn(n3)の球T1,T2,,Tnがあり,
次の条件(ア)(イ)を満たす.

(ア) TiS1S2にそれぞれ1点で接している(i=1,2,,n)

(イ) TiTi+1に1点で接しており(i=1,2,,n1)
そしてTnT1に1点で接している.

このとき,以下の問いに答えよ.

(1) T1,T2,,Tnの共通の半径rnを求めよ.

(2) S1S2の中心を結ぶ直線のまわりにT1を回転してできる回転体の体積をVnとし,
T1,T2,,Tnの体積の和をWnとするとき,極限limnWnVnを求めよ.

難易度7/ 10計算量6/ 10目安28

図形と方程式三角関数積分 図形的解釈体積計算極限計算

方針

2つの単位球の中心を (1,0,0)(1,0,0) に置き、その中心を結ぶ直線を軸とする。各 Ti は2つの単位球に同時に接するので、中心は中央の平面上、軸から距離 ρ の円周上に並ぶ。接球条件から ρ2=r(r+2) を得る。隣り合う Ti の中心間距離は 2r で、中心角は 2π/n なので r=ρsin(π/n) となり、これを連立して rn を求める。(2) は軸からの距離を変数にして回転体の体積を断面積分で出し、球の体積和との比を取る。

解答

(1) S1,S2 の中心をそれぞれ (1,0,0),(1,0,0) に置き、この2点を結ぶ直線を x 軸とする。Ti の共通半径を r、その中心と x 軸との距離を ρ とする。 TiS1,S2 の両方に外接するので、Ti の中心は2つの中心から等距離にある。したがってその中心は平面 x=0 上にある。また、S1 の中心から Ti の中心までの距離は 1+r であるから、直角三角形より 12+ρ2=(1+r)2 である。よって ρ2=r2+2r=r(r+2) を得る。

次に、T1,T2,,Tn の中心は、平面 x=0 上で半径 ρ の円周上に並ぶ。隣り合う球は接するので、隣り合う中心間の距離は 2r である。隣接する中心間の小さい中心角を δ とする。中心間距離が 2r であるため、すべての隣接対で同じ δ をもつ。もし円周上にこれより小さい間隔があれば、その2球は重なる。したがって重なりなく一周する n 個の中心は円周を等分し、δ=2π/n である。弦の長さより2ρsinπn=2rすなわち r=ρsinπn である。

これを ρ2=r(r+2) に代入する。r>0 なので r2=ρ2sin2πn=r(r+2)sin2πn より r=(r+2)sin2πn である。したがって r(1sin2πn)=2sin2πn となり、rcos2πn=2sin2πn である。よって rn=2tan2πn である。

(2) T1x 軸のまわりに回転してできる回転体の体積を求める。x 軸からの距離を u として、x 軸を含む平面で断面を見ると、T1 の断面は (uρ)2+v2rn2 で表される半径 rn の円板である。距離 u の細い帯を回転すると、円周 2πu と幅により体積要素を作る。よってVn=ρrnρ+rn2πu2rn2(uρ)2duである。w=uρ とおくとVn=4πrnrn(ρ+w)rn2w2dw=4πρrnrnrn2w2dw+4πrnrnwrn2w2dwである。第2項は奇関数の積分なので0であり、第1項の積分に現れる値は、半径 rn の半円の面積だからrnrnrn2w2dw=πrn22である。したがって Vn=2π2ρrn2 である。

一方、T1,T2,,Tn は半径 rn の球なので、体積の和は Wn=n4πrn33 である。よってWnVn=n4πrn332π2ρrn2=2n3πrnρである。(1) の途中で得た rn=ρsin(π/n) より WnVn=2n3πsinπn となる。したがってlimnWnVn=23πlimnnsinπn=23ππ=23である。

総評

難度7、計算量6。目安時間は28分。立体配置をそのまま考えるのではなく、中心が作る円周の問題に落とすのが核心である。S1,S2 の中心を (1,0,0),(1,0,0) に置くと、Ti の中心が平面 x=0 上にあること、ρ2=r(r+2) がすぐに見える。隣接球の接触から弦の長さ 2r を使い、中心角 2π/n と結びつけるのが前半の採点点である。(2) は回転体の体積を既知公式として済ませず、断面の帯を回す積分で Vn=2π2ρrn2 を出すと説得力がある。rnρ を混同しないことが最大の注意点である。 2単位球と接球の中心断面、および (n=6) の中心配置を模式図として追加した。非重複条件から中心角が (2pi/n) になる理由も補強した。

冊子PDFで見る阪大の図形と方程式の問題で問題集を作る

出典: 大阪大学 2014年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。