方針
楕円上の点を (cosθ,asinθ) と表し、その点から直線 C2 までの距離を最小化する。距離の分子は a(sinθ−2cosθ+3) となるので、三角関数の合成で範囲を求める。絶対値を外す前に3−5>0 を確認し、最後に a→∞ の極限をとる。
解答
(1)
C1 は x2+a2y2=1 であり、a>0 だから、C1 上の点 P は P=(cosθ, asinθ) と表せる。
直線 C2 は y=2ax−3a すなわち y−2ax+3a=0 である。点 P からこの直線までの距離は1+4a2∣asinθ−2acosθ+3a∣=1+4a2a∣sinθ−2cosθ+3∣である。
ここで sinθ−2cosθ の最小値は −12+(−2)2=−5 であり、最大値は 5 である。さらに 3−5>0 だから、sinθ−2cosθ+3 は常に正である。よって距離を最小にするには、sinθ−2cosθ を最小にすればよく、その最小値は 3−5 である。
したがって f(a)=1+4a2a(3−5) である。
(2)
(1)で得た式を用いるとf(a)=1+4a2a(3−5)=4+a213−5である。a→∞ のとき 1/a2→0 だから a→∞limf(a)=23−5 である。
別解
解法2(単位円上の一次式)
方針
(x,y)=(u,av) として楕円を単位円 u2+v2=1 へ移す。直線までの距離の分子は a(v−2u+3) なので、コーシー・シュワルツの不等式で v−2u の最小値と等号条件を直接求める。最後に得られた式の分母を a で割って極限を計算する。
解答
(1)
楕円上の点を(x,y)=(u,av),u2+v2=1と表す。直線 C2 の方程式はy−2ax+3a=0なので、この点から C2 までの距離は1+4a2a∣v−2u+3∣である。
コーシー・シュワルツの不等式よりv−2u≧−12+(−2)2u2+v2=−5.等号は(u,v)=(52,−51)のときに成り立つ。また 3−5>0 であるから、絶対値の
内部は常に正である。したがってf(a)=1+4a2a(3−5).(2)f(a)=4+1/a23−5と変形できるので、a→∞limf(a)=23−5.
総評
楕円上の点から直線までの距離を、三角関数または単位円上の一次式の範囲に帰着する問題である。目安時間は18分。最大の注意点は、距離公式の絶対値を外す前に 3−5>0 を確認すること、そして点 Q は直線上を自由に動けるため、固定した P からの最短距離は垂線距離でよいという点である。別解のように一次式の最小値を直接使うと、媒介変数を出さずに同じ評価に到達でき、見通しがよくなる。
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出典: 大阪大学 2012年度 前期日程 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。