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大阪大学 2014年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第1問

実数abcdeに対して,
座標平面上の点A(a,b)B(c,d)C(e,0)をとる.
ただし点Aと点Bはどちらも原点O(0,0)とは異なる点とする.
このとき,実数stsOA+tOB=OCを満たすものが存在するための,abcdeについての必要十分条件を求めよ.

難易度5/ 10計算量4/ 10目安15

ベクトル図形と方程式 ベクトル成分計算、場合分け、必要十分条件

方針

条件を成分で書けば、未知数 s,t に関する2本の一次方程式 as+ct=ebs+dt=0 が解をもつかどうかの問題になる。(a,b)(c,d) が平行でない、すなわち adbc0 の場合は任意の (e,0) を表せる。平行な場合は一次結合で表せる点が原点を通る1本の直線上に限られるため、(e,0) が零ベクトルである場合と、その直線自体が x 軸である場合を分けて必要十分条件をまとめる。

解答

条件 sOA+tOB=OC を成分で書くと s(a,b)+t(c,d)=(e,0) である。したがって{as+ct=e,bs+dt=0を満たす実数 s,t が存在する条件を求めればよい。

まず adbc0 の場合を考える。このとき (a,b)(c,d) は平行でないので、上の連立方程式は任意の右辺 (e,0) に対してただ1つの解をもつ。実際、消去法で解けば分母に adbc が現れ、これが0でないため解が定まる。したがってこの場合は条件を満たす。

次に adbc=0 の場合を考える。このとき (a,b)(c,d) は平行であり、これらの一次結合で表せる点は、原点を通る同じ直線上の点に限られる。

もし e=0 なら、OC=(0,0) であるから、s=t=0 とすれば条件を満たす。

また b=d=0 なら、A,B はどちらも原点ではないので、(a,0)(c,0) の少なくとも一方は0でない x 軸方向のベクトルである。このとき (e,0)x 軸上の点なので、たとえば0でない方のベクトルを実数倍することで (e,0) を表せる。したがって条件を満たす。

逆に、adbc=0e0、かつ b,d の少なくとも一方が0でないとする。このとき (a,b)(c,d) が作る原点を通る直線は x 軸ではない。したがって、その直線上にない0でない x 軸上の点 (e,0) は、(a,b)(c,d) の一次結合では表せない。

以上より、求める必要十分条件は adbc0またはe=0またはb=d=0 である。

別解

解法2(連立方程式の整合条件)

方針

成分表示で得られる連立方程式の係数行列を調べる。行列式 adbc が0でなければ常に解がある。行列式が0のときは、右辺ベクトル (e,0) と各列ベクトルが同一直線上にある条件を2つの2次行列式で表すと、be=de=0 が得られる。これを論理条件へ整理する。

解答

与式を成分で書けば{as+ct=e,bs+dt=0である。係数行列の行列式はΔ=adbcである。

まず Δ0 なら、連立方程式は任意の右辺に対してただ1つの解をもつ。したがって条件を満たす s,t が存在する。

次に Δ=0 とする。このとき列ベクトル (a,b)(c,d) は平行である。右辺 (e,0) がその張る直線上にあるための条件はaeb0=0,ced0=0である。すなわちbe=0,de=0である。点A、Bは原点でないので、2つの列ベクトルが同時に零になることはなく、この条件は整合条件として十分でもある。

be=de=0 は、e=0 または b=d=0 と同値である。よって求める必要十分条件はadbc0またはe=0またはb=d=0である。

総評

難度5、計算量4。目安時間は15分。式はベクトルの一次結合だが、実質は2元連立一次方程式が解をもつ条件である。adbc0 の場合は迷わず解けるので、難所は adbc=0 の退化した場合である。e=0 なら零ベクトルとして常に表せること、b=d=0 なら2つのベクトルが x 軸上にあることを落としやすい。必要性を書くときは、平行でしかも x 軸でない直線から、0でない (e,0) は出てこないと説明すると明快である。 第2解法では係数行列の行列式と拡大列の整合条件から、退化時の条件 (be=de=0) を直接導いた。

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出典: 大阪大学 2014年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。