方針
条件を成分で書けば、未知数 に関する2本の一次方程式 、 が解をもつかどうかの問題になる。 と が平行でない、すなわち の場合は任意の を表せる。平行な場合は一次結合で表せる点が原点を通る1本の直線上に限られるため、 が零ベクトルである場合と、その直線自体が 軸である場合を分けて必要十分条件をまとめる。
解答
条件 を成分で書くと である。したがってを満たす実数 が存在する条件を求めればよい。
まず の場合を考える。このとき と は平行でないので、上の連立方程式は任意の右辺 に対してただ1つの解をもつ。実際、消去法で解けば分母に が現れ、これが0でないため解が定まる。したがってこの場合は条件を満たす。
次に の場合を考える。このとき と は平行であり、これらの一次結合で表せる点は、原点を通る同じ直線上の点に限られる。
もし なら、 であるから、 とすれば条件を満たす。
また なら、 はどちらも原点ではないので、、 の少なくとも一方は0でない 軸方向のベクトルである。このとき は 軸上の点なので、たとえば0でない方のベクトルを実数倍することで を表せる。したがって条件を満たす。
逆に、、、かつ の少なくとも一方が0でないとする。このとき 、 が作る原点を通る直線は 軸ではない。したがって、その直線上にない0でない 軸上の点 は、 と の一次結合では表せない。
以上より、求める必要十分条件は である。
別解
解法2(連立方程式の整合条件)
方針
成分表示で得られる連立方程式の係数行列を調べる。行列式 が0でなければ常に解がある。行列式が0のときは、右辺ベクトル と各列ベクトルが同一直線上にある条件を2つの2次行列式で表すと、 が得られる。これを論理条件へ整理する。
解答
与式を成分で書けばである。係数行列の行列式はである。
まず なら、連立方程式は任意の右辺に対してただ1つの解をもつ。したがって条件を満たす が存在する。
次に とする。このとき列ベクトル 、 は平行である。右辺 がその張る直線上にあるための条件はである。すなわちである。点A、Bは原点でないので、2つの列ベクトルが同時に零になることはなく、この条件は整合条件として十分でもある。
は、 または と同値である。よって求める必要十分条件はである。
総評
難度5、計算量4。目安時間は15分。式はベクトルの一次結合だが、実質は2元連立一次方程式が解をもつ条件である。 の場合は迷わず解けるので、難所は の退化した場合である。 なら零ベクトルとして常に表せること、 なら2つのベクトルが 軸上にあることを落としやすい。必要性を書くときは、平行でしかも 軸でない直線から、0でない は出てこないと説明すると明快である。 第2解法では係数行列の行列式と拡大列の整合条件から、退化時の条件 (be=de=0) を直接導いた。