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大阪大学 2011年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第3問

abcを実数とする.
ベクトルv1=(3,0)v2=(1,22)をとり,
v3=av1+bv2とおく.
座標平面上のベクトルpに対する条件

(*) (v1p)v1+(v2p)v2+(v3p)v3=cp

を考える.
ここでvip (i=1,2,3)
ベクトルviとベクトルpの内積を表す.
このとき以下の問いに答えよ.

(1) 座標平面上の任意のベクトルv=(x,y)が,
実数stを用いてv=sv1+tv2と表されることを,
sおよびtの各々をxyの式で表すことによって示せ.

(2) p=v1p=v2の両方が
条件(*)をみたすならば,座標平面上のすべてのベクトルvに対して,
p=vが条件(*)をみたすことを示せ.

(3) 座標平面上のすべてのベクトルvに対して,
p=vが条件(*)をみたす.
このような実数の組(a,b,c)をすべて求めよ.

難易度7/ 10計算量6/ 10目安25

ベクトル ベクトル成分計算内積の利用恒等式比較

方針

(1)v1,v2 が平面の基底になっていることを、係数 s,t を実際に解いて示す。(2)は条件(*)の左辺が p に関して一次的であることを使い、v1,v2 で成り立てばその一次結合でも成り立つと示す。(3)は標準座標で左辺を成分表示し、すべての p=(X,Y) について cp に等しくなるための係数条件を立てる。対角成分が等しく、非対角成分が0になる条件を u=3a+b とおいて解く。

解答

(1) v1=(3,0),v2=(1,22) であるから、実数 s,t に対して sv1+tv2=(3s+t, 22t) である。これが任意の v=(x,y) に等しくなるためには 22t=y より t=y22 であり、さらに 3s+t=x より s=xt3=x3y62 である。

したがって任意の v=(x,y)v=(x3y62)v1+y22v2と表される。

v1,v2 は平行でないため、平面の基底になる。

(2)

条件(*)の左辺をF(p)=(v1p)v1+(v2p)v2+(v3p)v3とおく。内積は p について一次的であるから、F(p)p について一次的である。すなわち任意の実数 s,t に対して F(sv1+tv2)=sF(v1)+tF(v2) である。

仮定より p=v1p=v2 は条件(*)を満たすので F(v1)=cv1,F(v2)=cv2 である。したがって F(sv1+tv2)=scv1+tcv2=c(sv1+tv2) である。(1)より任意の座標平面上のベクトルは sv1+tv2 と表されるので、すべての p が条件(*)を満たす。

(3) v3=av1+bv2 より v3=(3a+b, 22b) である。ここで u=3a+b とおくと v3=(u, 22b) である。

任意の p=(X,Y) に対して左辺を成分で計算する。まず (v1p)v1=3X(3,0)=(9X,0) であり、(v2p)v2=(X+22Y)(1,22)=(X+22Y, 22X+8Y)である。また (v3p)v3=(uX+22bY)(u,22b) だから、これは (u2X+22buY, 22buX+8b2Y) である。

したがって左辺全体は ((10+u2)X+22(1+bu)Y, 22(1+bu)X+(8+8b2)Y) である。これがすべての (X,Y) について c(X,Y) に等しいためには、X,Y の係数を比較して 1+bu=0 かつ 10+u2=c,8+8b2=c であることが必要十分である。よって bu=1,u28b2=2 である。 bu=1 より b0 で、u=1/b である。これを u28b2=2 に代入すると 1b28b2=2 である。B=b2 とおくと 18B2=2B すなわち 8B22B1=0 である。因数分解して (2B1)(4B+1)=0 となる。B=b2>0 だから b2=12 である。 b=1/2 のとき、u=2 である。u=3a+b なので 3a=212=32 より a=12 である。 b=1/2 のとき、u=2 である。したがって 3a=2+12=32 より a=12 である。どちらの場合も c=8+8b2=8+4=12 である。

以上より(a,b,c)=(12,12,12),(12,12,12)である。

総評

内積で定まる一次変換を、基底と成分比較で扱う問題である。(1)で v1,v2 が平面全体を張ることを具体的に示すため、(2)では線形性だけで全ベクトルへ拡張できる。(3)は計算問題に見えるが、左辺が cp になるには非対角成分が0、2つの対角成分が同じ、という構造を意識すると整理しやすい。目安時間は25分程度で、u=3a+b と置いて式を短くするのが有効である。

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出典: 大阪大学 2011年度 前期日程 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。