方針
条件(ア)は、固定した t>0 に対して f(t) が 1+x−t(ex+e−x)/2 のすべての値以上であることを意味する。条件(イ)で等号を達成する x が存在するので、f(t) はその関数の最大値そのものである。そこで g(x)=1+x−t(ex+e−x)/2 とおき、g′′(x)<0 から最大点が一意に決まることを確認して、g′(x)=0 を u=ex>0 で解く。最後に最大点での x と t(ex+e−x)/2 を代入する。
解答
t>0 を固定し、g(x)=1+x−t2ex+e−x とおく。条件(ア)は、すべての実数 x に対して f(t)≧g(x) が成り立つことを表している。さらに条件(イ)より等号を満たす実数 x が存在するので、f(t) は g(x) の最大値である。
導関数を求めると g′(x)=1−t2ex−e−x であり、g′′(x)=−t2ex+e−x<0 である。したがって g′(x) は単調に減少し、g′(x)=0 を満たす点があればそこで最大値をとる。
最大点を求める。g′(x)=0 より t2ex−e−x=1 である。ここで u=ex(u>0) とおくと t2u−u−1=1 すなわち u2−t2u−1=0 となる。この2次方程式の解は u=t1±1+t2 であるが、1+t2>1 より、負号の解は負である。したがって u=t1+1+t2 であり、最大点の x は x=logt1+1+t2 である。
この最大点では 2t(u+u1)=1+t2 が成り立つ。実際、t(u−u−1)/2=1 だから、右辺の正の値として{2t(u+u1)}2={2t(u−u1)}2+t2=1+t2となる。
よって最大値はf(t)=1+x−t2ex+e−x=1+logt1+1+t2−1+t2である。したがって f(t)=1+logt1+1+t2−1+t2 である。
総評
難度6、計算量5。目安時間は20分。不等式がすべての x で成り立ち、さらに等号成立点があるという条件を、「ある関数の最大値を求める」と読み替えるのが核心である。g′′(x)<0 により最大点が一意に定まるため、g′(x)=0 だけで安心してよい。u=ex と置いた後は正の解だけを採用すること、最大点での t(ex+e−x)/2 を 1+t2 に整理することが計算の山である。最後の対数の中身は正であることも自然に確認されている。
冊子PDFで見る阪大の微分の問題で問題集を作る
出典: 大阪大学 2014年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。