方針
(1) は f′(t)、g′(t) の符号変化を端点も含めて調べる。(2) は s=sint と置き、f(t1)=f(t2) から s1+s2=1 を得て、g(t)2 を s の式に直す。(3) は図と (2) で上下関係を確認し、面積をS=−∫0π/2{f(t)−1}g′(t)dtとして直接計算する。
解答
(1) f′(t)=2cost(1−2sint)であり、0≦t≦π/2 では t=π/6 で増加から減少へ変わる。したがってmaxf(t)=f(6π)=23である。またg′(t)=2(1+sint)(1−2sint)も同じ点で符号が正から負へ変わるので、maxg(t)=g(6π)=233である。
(2) si=sinti と置く。t1<t2 より s1<s2 である。またf(t)=1+2s−2s2だから、f(t1)=f(t2) より2(s1−s2)(1−s1−s2)=0となり、s1+s2=1 を得る。一方、g(t)2=4(1−s)(1+s)3であるから、s2=1−s1 を代入するとg(t1)2−g(t2)2=−4(2s1−1)3となる。s1<s2 かつ和が1なので 2s1−1<0 であり、求める差は正である。
(3) t=0,π/2 で x=f(t)=1 となる。(2) により、同じ横座標に対応する2点では小さい t の点が上側にある。曲線と領域の位置関係は次の通りである。
したがって面積はS=−∫0π/2{f(t)−1}g′(t)dtである。被積分関数を整理すると−{f(t)−1}g′(t)=−8sin4t+4sin3t+8sin2t−4sintとなる。さらに∫0π/2sintdt=1,∫0π/2sin2tdt=4π,∫0π/2sin3tdt=32,∫0π/2sin4tdt=163πだからS=−8⋅163π+4⋅32+8⋅4π−4=2π−34である。
別解
解法2
方針
s=sint により (1)(2) の代数構造を整理する。(3) では面積積分を展開せず、部分積分で f′(t)g(t) の積分へ移して計算を短くする。
解答
(1) s=sint と置くと 0≦s≦1 であり、f(t)=1+2s−2s2=23−2(s−21)2だから最大値は 3/2 である。またg′(t)=2(1+s)(1−2s)より g は s=1/2、すなわち t=π/6 で最大となり、その値は 33/2 である。
(2) si=sinti とする。f(t1)=f(t2) を平方完成した式に適用し、s1<s2 を使うと s1+s2=1 である。またg(t)2=4(1−s)(1+s)3なのでg(t1)2−g(t2)2=−4(2s1−1)3>0を得る。
(3) 面積はS=−∫0π/2{f(t)−1}g′(t)dtである。端点では f(t)−1=0 だから、部分積分によりS=∫0π/2f′(t)g(t)dtとなる。ここでf′(t)g(t)=4cos2t(1−2sint)(1+sint)=4(1−sint−3sin2t+sin3t+2sin4t)である。したがってS=4(2π−1−3⋅4π+32+2⋅163π)=2π−34を得る。
総評
媒介変数曲線の最大値、同じ横座標に対する上下関係、面積を順に結ぶ問題である。目安時間は26〜32分。(2) は独立した不等式ではなく、(3) で曲線の上側・下側と積分の向きを保証するために置かれている。図で x=1 と曲線の位置を確認してから、符号を含めて面積積分を立てたい。解法1は被積分関数を直接展開し、解法2は端点項が消えることを利用して部分積分する。後者は計算量を減らせるが、f′(t)g(t) の展開を丁寧に検算する必要がある。
冊子PDFで見る阪大の三角関数の問題で問題集を作る
出典: 大阪大学 2018年度 前期日程 第2次学力試験 数学(理系第3問)(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。