大阪大学 2019年度
理系数学 第1問
- 試験区分
- 前期日程 第2次学力試験
- 対象
- 理系
- 分野
- 積分、指数・対数、関数
- 解法
- 定積分評価、不等式評価、はさみうち
- 難易度
- 7 / 10 計算量 6 / 10 目安 —
問題
以下の問いに答えよ.ただし,logは自然対数,eはその底とする.
(1) bを実数とする.関数
f(x)=∫xbe−2t2dt−x2+1xe−2x2
は単調に減少することを示せ.
(2) a≦bを満たす正の実数a,bに対し,不等式
a2+1ae−2a2−b2+1be−2b2≦∫abe−2t2dt≦e−2a2(b−a)
が成り立つことを示せ.
(3) 数列{In}を次のように定める.
In=∫12e−2nt2dt(n=1,2,3,⋯)
このとき極限
n→∞limn1logIn
を求めよ.ただし,
n→∞limn1log(n+1)=0
を用いてもよい.
出典:大阪大学 2019年度 前期日程 第2次学力試験 理系 第1問
方針
解法1
(1)は積分の下端微分と積の微分をまとめる。(2)の下側は(1)の単調性、上側は被積分関数の最大値から示す。(3)では u=nt と変数変換し、(2)をそのまま適用して指数の主要項を挟む。
解法2
(1)(2)は導関数の符号と被積分関数の単調性で確認する。(3)は設問(2)を使わず、積分区間全体での上界と、左端に接する長さ 1/n の短区間での下界を作る。
解答
解法1
(1)
微分すると
dxd∫xbe−t2/2dt=−e−x2/2
である。また
dxd(x2+1xe−x2/2)=(x2+1)21−x2e−x2/2−x2+1x2e−x2/2=(x2+1)21−2x2−x4e−x2/2
だから
f′(x)=−(x2+1)22e−x2/2<0
である。よって f は単調に減少する。
(2)
a≦b より f(a)≧f(b) である。これを展開すると
a2+1ae−a2/2−b2+1be−b2/2≦∫abe−t2/2dt
を得る。
一方、a≦t≦b かつ a>0 なので
e−t2/2≦e−a2/2
である。したがって
∫abe−t2/2dt≦∫abe−a2/2dt=e−a2/2(b−a)
となる。
(3)
u=nt と変数変換すると
である。(2)で a=n,b=2n とすれば
In≦e−n/2
であり、また
In≧n+1e−n/2−4n+12e−2n=n+1e−n/2{1−4n+12(n+1)e−3n/2}
である。n≧1 では括弧内は 1/2 より大きいので
2(n+1)e−n/2<In≦e−n/2
となる。対数を取り n で割ると
−21−nlog{2(n+1)}<n1logIn≦−21
である。よって、はさみうちにより
n→∞limn1logIn=−21
を得る。
解法2
(1)
解法1と同じ微分計算により
f′(x)=−(x2+1)22e−x2/2<0
であるから、f は単調に減少する。
(2)
下側の不等式は f(a)≧f(b) を整理すれば得られる。上側は、e−t2/2 が正の範囲で減少するので
∫abe−t2/2dt≦e−a2/2(b−a)
である。
(3)
1≦t≦2 では
e−nt2/2≦e−n/2
だから
In≦e−n/2
である。
一方、1≦t≦1+1/n では
t2≦(1+n1)2
なので
In≧∫11+1/ne−nt2/2dt≧n1exp{−2n(1+n1)2}
である。よって
−21(1+n1)2−nlogn≦n1logIn≦−21
となる。両端は −1/2 に収束するから
n→∞limn1logIn=−21
である。