方針
正弦定理で辺の比を角の正弦の比に直す。条件 C=3B から bc=sinBsin3B となるので、三倍角の公式で 3−4sin2B に変形する。三角形の角であるため B>0、従って sinB>0 であり、ここから厳密な不等号を得る。
解答
三角形ABCにおいて、辺 AB=c は角Cの対辺、辺 CA=b は角Bの対辺である。正弦定理より sinCc=sinBb であるから、C=3B を用いると bc=sinBsinC=sinBsin3B となる。
ここで三倍角の公式 sin3B=3sinB−4sin3B を用いる。三角形の内角なので B>0 であり、sinB>0 である。したがって bc=3−4sin2B である。sin2B>0 より 3−4sin2B<3 だから bc<3 である。b>0 なので両辺に b を掛けて c<3b を得る。
別解
解法2(円の弦と折れ線の長さを比べる)
方針
正弦定理で c/b=sin3B/sinB とした後、単位円上で中心角 6B の弦を、中心角 2B の3本の弦からなる折れ線と比較する。直線距離は折れ線の長さより短いので、三倍角公式を使わずに sin3B<3sinB を得る。
解答
B=∠ABC とおくと C=3B である。正弦定理よりbc=sinBsin3Bである。
単位円上に、中心角が順に 2B ずつ離れた4点 P0,P1,P2,P3 をとる。3B=C<π であるから、弦の長さはP0P3=2sin3B,P0P1=P1P2=P2P3=2sinBである。
4点は一直線上にはないので、直線距離は折れ線の長さより真に短い。したがって2sin3B=P0P3<P0P1+P1P2+P2P3=6sinBとなる。sinB>0 よりbc=sinBsin3B<3であり、b>0 を掛けてc<3bを得る。
総評
難度2、計算量3、目安時間7分。正弦定理で辺の比を角の正弦へ変換するのが出発点である。三倍角公式なら 3−4sin2B<3 と直ちに評価でき、単位円の弦なら直線距離が3本の折れ線より短いことから同じ厳密不等式が得られる。どちらの解法でも B>0 と b>0 を明示し、c/b<3 から辺の不等式へ戻す。
冊子PDFで見る阪大の三角関数の問題で問題集を作る
出典: 大阪大学 2020年度 一般選抜(前期日程)数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。