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大阪大学 2021年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第3問

nを自然数とし,tt1をみたす実数とする.

(1) xtのとき,不等式(xt)22logxlogt1t(xt)0が成り立つことを示せ.

(2) 不等式16n3tt+1nlogxdx1nlogt12tn20が成り立つことを示せ.

(3) an=k=0n1log(1+kn)とおく.
limn(anpn)=qをみたすような実数p,qの値を求めよ.

難易度8/ 10計算量7/ 10目安28

積分指数・対数数列 不等式評価定積分評価、はさみうち

方針

(1) は接線近似との差を導関数で上下から評価し,(2)は区間 [t,t+1/n] で積分する。(3)では t=1+k/n を代入して全区間を足し合わせ,主項を定積分,定数項を 1/x の区分求積で取り出す。

解答

(1) F(x)=logxlogtxtt とおく。xt において F(x)=1x1t0 であり、F(t)=0 であるから F(x)0 である。これで右側の不等式が示された。

次に G(x)=F(x)+(xt)22 とおく。すると G(x)=1x1t+xt=(xt)(11tx) である。xt1 より xt0 かつ tx1 だから、G(x)0 である。また G(t)=0 なので G(x)0 である。すなわち F(x)+(xt)220 であるから (xt)22F(x) を得る。以上より (xt)22logxlogtxtt0 である。

別解。(1)の左側は積分で見ることもできる。xt のときlogxlogtxtt=tx(1u1t)du=txuttuduである。ut1 より tu1 だから (ut)uttu0 である。これを u=t から u=x まで積分して (xt)22logxlogtxtt0 を得る。

(2)
(1)の不等式を x=t から x=t+1n まで積分する。中央の式についてはtt+1n(logxlogtxtt)dx=tt+1nlogxdx1nlogt1ttt+1n(xt)dx=tt+1nlogxdx1nlogt12tn2である。また左端の積分はtt+1n(xt)22dx=12[(xt)33]tt+1n=16n3である。したがって16n3tt+1nlogxdx1nlogt12tn20が成り立つ。

(3)
(2)において t=1+kn(k=0,1,,n1) とおく。このとき t1 であり、区間 [t,t+1n][1+kn,1+k+1n] である。よって (2) を k=0 から n1 まで加えると16n212logxdx1nk=0n1log(1+kn)12n2k=0n111+kn0となる。ここで an=k=0n1log(1+kn) であるから、ある εn を用いて12logxdxann12n2k=0n111+kn=εn,16n2εn0と書ける。これを an について解くとan=n12logxdx12nk=0n111+knnεnである。

まず12logxdx=[xlogxx]12=2log21である。また、和の極限として1nk=0n111+kn0111+xdx=log2である。さらに 16nnεn0 より nεn0 である。

したがってann(2log21)=12{1nk=0n111+kn}nεn12log2である。ゆえに p=2log21,q=12log2 である。

別解

解法2(対数の基本評価と左右リーマン和で挟む)

方針

u=(xt)/t と置いて log(1+u) の基本不等式から (1)を示し,(2)は積分する。(3)では左リーマン和と定積分の差を f(x)=1/x の左右リーマン和で挟み,端点補正の極限を直接求める。

解答

(1)
u0 に対してuu22log(1+u)uが成り立つ。実際,両辺との差を微分すれば,それぞれ u/(1+u)0u2/(1+u)0 に帰着する。

ここでu=xtt0とおくとu22logxlogtxtt0である。t1 より u2(xt)2 なので(xt)22logxlogtxtt0を得る。

(2)
(1)を x=t から x=t+1/n まで積分する。左端は12tt+1/n(xt)2dx=16n3であり,中央はtt+1/nlogxdx1nlogt12tn2である。したがって問題の不等式が従う。

(3)
f(x)=logxxk=1+k/n とおくとann=1nk=0n1f(xk)12f(x)dx=2log21である。よって有限な極限 anpn をもつためにはp=2log21でなければならない。

定数項を求めるためDn=n{12f(x)dxann}とおく。区間ごとに x=xk+u/n と変数を取り直すとDn=k=0n101{f(xk+un)f(xk)}duである。f(x)=1/x は減少するからunf(xk+1)f(xk+un)f(xk)unf(xk)である。u について積分し,さらに k について足すと12nk=0n1f(xk+1)Dn12nk=0n1f(xk)となる。両端はともに1212dxx=12log2へ収束する。したがってanpn=Dn12log2であり,p=2log21,q=12log2である。

総評

難度8、計算量7。想定時間は28分程度。不等式の局所誤差を短区間で積分し,最後に全区間へ足し合わせて定数項まで取り出す問題である。(2)では区間幅 1/n から 1/(2tn2)1/(6n3) が出る計算を省略しない。(3)は主項 p だけでなく,左リーマン和と定積分の差を n 倍した極限が log2/2 になることが核心である。2解法は同じ端点補正を別の挟み方で評価している。

冊子PDFで見る阪大の積分の問題で問題集を作る

出典: 大阪大学 2021年度 一般選抜(前期日程)数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。