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大阪大学 2021年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第4問

整数a,b,cに関する次の条件(*)を考える.ac(x2+bx)dx=bc(x2+ax)dx(*)(1) 整数a,b,cが(*)およびabをみたすとき,
cは3の倍数であることを示せ.

(2) c=3600のとき,(*)およびa<bをみたす整数の組(a,b)の個数を求めよ.

難易度7/ 10計算量6/ 10目安25

整数積分場合の数 展開・因数分解、約数・倍数、数え上げ

方針

積分差を因数分解して (2a+b)(a+2b)=3c2 を得る。(1)では2因子の3を法とする関係を調べ,(2)では X=2a+b,Y=a+2b と変換する。符号を固定して正の約数対へ直し,3の指数の端を除いて数える。

解答

(1)
条件 (*) の左辺から右辺を引くとac(x2+bx)dxbc(x2+ax)dx=[x33+bx22]ac[x33+ax22]bc =ba6{2a2+5ab+2b2+3c2} である。条件 (*) が成り立ち、かつ ab であるから 2a2+5ab+2b2+3c2=0 である。左辺の二次式を因数分解して (2a+b)(a+2b)=3c2 を得る。

右辺は3で割り切れるので、(2a+b)(a+2b) は3で割り切れる。ここで 2a+bba(mod3),a+2bab(mod3) である。したがって一方の因子が3で割り切れるなら、もう一方の因子も3で割り切れる。よって 9(2a+b)(a+2b) である。 (2a+b)(a+2b)=3c2 だから 93c2 となり、3c2 を得る。整数 c について 3c2 なら 3c である。したがって c は3の倍数である。

(2) X=2a+b,Y=a+2b とおくと XY=3c2 である。また a=2XY3,b=X+2Y3 であり、ba=YX である。したがって a<bX<Y と同値である。

いま c=3600 なので XY=336002 である。右辺は負であり、X<Y であるから、X は負、Y は正でなければならない。そこで X=d,Y=e とおくと、d,e は正の整数で de=336002 をみたす。

逆に、このような d,e から整数 a,b が得られる条件を調べる。上の式に X=d,Y=e を代入すると a=2de3,b=d+2e3 である。よって a,b が整数であるための条件は 2d+e0(mod3),d+2e0(mod3) であり、これは de(mod3) と同値である。

ここで 336002=3(243252)2=283554 である。dd=2i3j5k と書くと 0i8,0j5,0k4 である。このとき e=283554d である。

条件 de(mod3) をみたすには、d,e がともに3で割り切れる必要がある。実際、j=0 なら d は3で割り切れず e は3で割り切れる。j=5 なら d は3で割り切れ e は3で割り切れない。どちらも de(mod3) をみたさない。反対に 1j4 なら d,e はともに3で割り切れるので、どちらも3を法として 0 に合同であり、条件をみたす。

したがって選び方は 945=180 通りである。各 d に対して e は一意に決まり、そこから X,Y、さらに a,b も一意に決まる。よって求める整数の組 (a,b) の個数は 180 である。

別解

解法2(正の約数全体から不適合な端を除く)

方針

X,Y への線形変換で積の条件と大小条件を分離する。X=d,Y=e として全正約数 d を数え,整数 a,b を与えないのが3の指数を片側へ全部寄せた2群だけであることから差し引く。

解答

(1)
条件の両辺を積分して差を取ると,ab より(2a+b)(a+2b)=3c2を得る。ここで(2a+b)+(a+2b)=3(a+b)である。積が3の倍数なので一方の因子は3の倍数であり,和も3の倍数だから他方も3の倍数である。したがって左辺は9の倍数であり,93c2 となる。よって 3c2,したがって 3c である。

(2) X=2a+b,Y=a+2bとおくとXY=336002,a=2XY3,b=X+2Y3である。また ba=YX なので,a<b と積が負であることから X<0<Y となる。

X=d,Y=e とおくと,d,e は正でde=336002=283554を満たす。逆変換が整数を与える条件はde(mod3)である。

正の約数 d の総数は(8+1)(5+1)(4+1)=270である。d に含まれる3の指数を j とすると,j=0 では d だけが3で割れず,j=5 では e だけが3で割れないため不適合である。各端の個数は(8+1)(4+1)=45である。1j4 なら d,e はともに3の倍数で,必ず合同条件を満たす。よって求める個数は2704545=180である。各約数 d から (a,b) は一意に定まるので重複はない。

総評

難度7、計算量6。想定時間は25分程度。文系第3問と同じ因数分解を,c=3600 の約数カウントまで発展させる問題である。X=2a+b,Y=a+2b と置いた後,a<b から X<0<Y を確定し,正の約数だけを数えるのが整理の要点である。336002=283554 の3の指数 j=0,5 は一方だけが3の倍数となって除外され,1j4 の4通りが残る。総数は 945=180 と差し引き法の両方で一致する。

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出典: 大阪大学 2021年度 一般選抜(前期日程)数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。