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大阪大学 2021年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第5問

次の問いに答えよ.

(1) aを実数とする.xについての方程式xtanx=aの実数解のうち,
x<π2をみたすものがちょうど1個あることを示せ.

(2) 自然数nに対し,xtanx=nπかつx<π2をみたす
実数xxnとおく.
tt<π2をみたす実数とする.
このとき,曲線C:y=sinx上の点P(t,sint)における接線が,
不等式xπ2の表す領域に含まれる点においても
曲線Cと接するための必要十分条件は,
tx1,x2,x3,のいずれかと等しいことであることを示せ.

難易度8/ 10計算量7/ 10目安25

三角関数微分図形と方程式 接線・法線必要十分条件、一意性証明

方針

h(x)=xtanx の狭義単調性と両端極限で (1) の一意性を示す。(2)では2点での接線が同じ直線になる条件を傾きと切片に分け,cosu=cost の2系列を分類して不要な系列を除外する。

解答

(1) h(x)=xtanx(π2<x<π2) とおく。導関数は h(x)=11cos2x=tan2x0 である。さらに、任意の x1<x2 に対してh(x2)h(x1)=x1x2tan2xdx<0である。実際、tan2x は連続で、区間全体で恒等的に 0 にはならない。したがって h(x) はこの区間で狭義単調減少である。

またlimxπ2+0(xtanx)=+,limxπ20(xtanx)=である。よって h(x)(π2,π2) で実数全体の値を一度ずつ取る。したがって任意の実数 a に対し、方程式 xtanx=a の実数解のうち x<π2 をみたすものはちょうど1個である。

(2)
曲線 C:y=sinxx=t における接線は y=sint+cost(xt) である。これを y=(cost)x+sinttcost と書いておく。

この直線が x=u においても曲線 C に接するとする。ただし uπ2 である。x=u における接線は y=(cosu)x+sinuucosu であるから、2つの接線が一致するための必要十分条件は cosu=cost かつ sinuucosu=sinttcost である。

いま t<π2 なので cost>0 である。cosu=cost から u=t+2mπまたはu=t+2mπ と表される。

まず u=t+2mπ の場合を考える。このとき sinu=sint, cosu=cost だから、切片条件は sint(t+2mπ)cost=sinttcost となる。cost>0 より m=0 である。しかしこのとき u=t<π2 となり、uπ2 に反する。よってこの場合は起こらない。

したがって u=t+2mπ でなければならない。t<π2uπ2 だから、m は自然数である。これを n と書く。すると sinu=sint,cosu=cost であるから、切片条件は sint(t+2nπ)cost=sinttcost となる。整理すると 2tcost2nπcost2sint=0 である。cost>0 で割ると ttant=nπ を得る。したがって、(1)の一意性により t=xn である。これで必要性が示された。

逆に、t=xn とする。このとき ttant=nπ である。nπ>0 であり、h(0)=0、かつ h は狭義単調減少だから t<0 である。そこで u=t+2nπ とおくと、uπ2 である。また cosu=cost,sinu=sint である。

さらに ttant=nπtcostsint=nπcost と同値である。これを用いると sint(t+2nπ)cost=sinttcost が成り立つ。すなわち sinuucosu=sinttcost である。よって x=t における接線と x=u における接線は一致し、しかも uπ2 である。

以上より、曲線 C 上の点 P(t,sint) における接線が、xπ2 の領域に含まれる点でも C と接するための必要十分条件は、tx1,x2,x3, のいずれかと等しいことである。

別解

解法2(第二接点を三角関数の周期で分類する)

方針

接線が別の点 u でも接するなら,その直線上条件と微分係数条件を同時に満たす。cosu=cost から u=2kπ±t を得て各場合を直接代入し,第二接点が右半平面にある条件から k を自然数に限定する。

解答

(1) ϕ(x)=tanxx,ϕ(x)=tan2x0(π2<x<π2)とおく。任意の異なる2点間で ϕ の積分は正だから,ϕ は狭義単調増加である。またlimxπ/2+0ϕ(x)=,limxπ/20ϕ(x)=+なので,xtanx=a,すなわち ϕ(x)=a はこの区間にちょうど1個の解をもつ。

(2)
P(t,sint) における接線と,この直線が uπ/2 でも曲線に接するための必要十分条件はy=sint+(xt)cost,cosu=cost,sinu=sint+(ut)costである。第2式からu=2kπ+tまたはu=2kπtを得る。前者を第3式へ代入すると 2kπcost=0 となる。t<π/2 では cost>0 だから k=0,すなわち u=t<π/2 となり不適である。

後者では sinu=sint なので,第3式はsint=sint+(2kπ2t)costttant=kπとなる。さらに u=2kπtπ/2t<π/2 から k1 である。k=n と書けば,(1)の一意性により t=xn を得る。

逆に t=xnu=2nπt とおくと uπ/2cosu=costsinu=sint である。さらに ttant=nπ を変形すればsinu=sint+(ut)costも成り立つ。したがって同じ直線が x=t,u の2点で曲線に接する。

以上から必要十分条件は,tx1,x2,x3, のいずれかに等しいことである。

総評

難度8、計算量7。想定時間は25分程度。(1)では導関数が1点で0になるため,区間全体で狭義単調となる理由まで示す。(2)では2接点の傾きと切片を比較し,u=2kπ+t を除外して u=2kπt を残す。必要性に加え,u=2nπt を作る十分性まで確認する。

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出典: 大阪大学 2021年度 一般選抜(前期日程)数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。