問題
を2以上の自然数とする.
(1) のとき,次の不等式が成り立つことを示せ.
(2) とするとき,次の極限値を求めよ.
出典:大阪大学 2023年度 前期日程 一般選抜 理系 第1問
方針
解法1(標準解法)
(1) は有限等比和を用いて、括弧内そのものを に簡約する。あとは における の上下評価に帰着する。(2) は (1) を から まで積分し、左辺が交代調和級数の誤差 になることを確認してから、 倍してはさみうちを使う。
解法2(1/2まわりの精密評価)
有限等比和から中央の式を に直す点は同じだが,(2) では を のまわりで上下から一次式評価する。積分余項 に対して標準解法より少し鋭い上下界を作り,直接 を示す。
解答
解法1(標準解法)
(1)
まず
である。したがって
となる。両辺に をかけると
である。
ここで なら である。また だから が成り立つ。これに をかけて を得る。先ほどの等式に戻せば、求める不等式が示された。
(2)
(1) の中央の式を から まで積分する。左辺の括弧内について
である。よって である。
(1) の不等式を積分すると
である。すなわち
となる。
両辺に をかけると
であり、左右の端はどちらも に収束する。はさみうちの原理より である。求める極限は符号が反対なので である。
解法2(1/2まわりの精密評価)
(1)
有限等比和より
だから,問題の中央の式は
に等しい。 では
であるから,両辺に を掛ければ問題の不等式を得る。
(2)
とおく。ここで において
が成り立つ。実際,左側は
であり,右側は
である。
(1) に を掛けて積分すると
両辺を整理して 倍すると
左右はともに へ収束するので である。求める式は だから,極限値は
である。