Evolton

大阪大学 2023年度 前期日程 一般選抜理系数学 第4問

aba2+b2>1かつb0をみたす実数の定数とする.
座標空間の点A(a,0,b)と点P(x,y,0)をとる.
O(0,0,0)を通り直線APと垂直な平面をαとし,
平面αと直線APとの交点をQとする.

(1) (APAO)2=AP2AQ2が成り立つことを示せ.

(2) OQ=1をみたすように点P(x,y,0)xy平面上を動くとき,
Pの軌跡を求めよ.

難易度7/ 10計算量7/ 10目安30

ベクトル図形と方程式 座標設定内積の利用軌跡

方針

v=AP とおき、QOQ=OA+λv と表す。平面 α は直線 AP に垂直なので OQv=0 が成り立ち、Q は原点から直線 AP に下ろした垂線の足である。(1) で射影の長さの関係を示し、(2) では OQ=1 から AQ2=a2+b21 を得て、内積と距離を座標で展開する。最後に逆向きも確認し、得た二次方程式全体が軌跡であることを述べる。

解答

(1) v=AP とおく。点 Q は直線 AP 上にあるので、ある実数 λ を用いて OQ=OA+λv と表せる。また、平面 α は直線 AP と垂直であり、O,Q はともに平面 α 上にある。したがって OQv と垂直で、OQv=0 である。これに上の表示を代入すると (OA+λv)v=0 だから λ=OAvv2 である。

一方、AQ=λv なのでAQ2=λ2v2=(OAv)2v2となる。ここで v=APAO=OA であるから、(APAO)2=(v(OA))2=(OAv)2である。よって(APAO)2=AP2AQ2が成り立つ。

(2) A(a,0,b)P(x,y,0) より AP=(xa,y,b),AO=(a,0,b) である。したがって APAO=a2+b2ax かつ AP2=(xa)2+y2+b2 である。 Q は直線 AP 上にあり、OQAP であるから、OQAQ でもある。よって三角形 OAQQ を直角とする直角三角形である。OQ=1 のときAQ2=OA2OQ2=a2+b21となる。仮定 a2+b2>1 より、この値は正である。

(1) の式に代入して (a2+b2ax)2=((xa)2+y2+b2)(a2+b21) を得る。左辺から右辺を引いて整理すると (a2+b2ax)2((xa)2+y2+b2)(a2+b21) =(1b2)x22ax+(1a2b2)y2+a2+b2 である。したがって必要条件として (1b2)x22ax+(1a2b2)y2+a2+b2=0 を得る。

逆に、点 P(x,y,0) がこの方程式をみたすとする。上の整理を逆にたどると(APAO)2=AP2(a2+b21)である。b0 なので AP>0 であり、(1) から AQ2=a2+b21 となる。直角三角形 OAQ によりOQ2=OA2AQ2=(a2+b2)(a2+b21)=1である。よって OQ=1 が成り立つ。

したがって、求める点 P の軌跡は xy 平面上の二次曲線 (1b2)x22ax+(1a2b2)y2+a2+b2=0 である。

別解

解法2(三角形の面積を2通りに表す方法)

方針

Q は原点から直線 AP に下ろした垂線の足である。三角形 OAP の面積の2乗を,底辺 AP・高さ OQ で表す方法と,OA,OP の内積で表す方法の2通りで計算する。OQ=1 を代入すると,射影係数を求めずに軌跡の二次方程式が得られる。

解答

(1)
OQAP であり,A,Q,P は一直線上にあるから,三角形 OAQQ を直角とする。よってAOAP=AQAPが符号を除いて成り立つ。両辺を2乗すれば(APAO)2=AP2AQ2を得る。

(2)
三角形 OAP の面積を S とする。底辺を AP,高さを OQ=1 と見れば4S2=AP2=(xa)2+y2+b2.(1)一方,二辺 OA=(a,0,b)OP=(x,y,0) を用いると4S2=OA2OP2(OAOP)2.したがって4S2=(a2+b2)(x2+y2)a2x2=b2x2+(a2+b2)y2.(2)(1),(2) を等置するとb2x2+(a2+b2)y2=(xa)2+y2+b2.整理して(1b2)x22ax+(1a2b2)y2+a2+b2=0を得る。

逆にこの方程式を満たす点 P では,上の面積の等式を逆にたどると,直線 AP への原点からの距離が1となる。b0 より AP なので直線は確定し,その垂線の足が Q である。よって方程式全体が求める軌跡である。

総評

空間内の直線への垂線の足を、ベクトルの射影として処理する軌跡問題。目安時間は25〜30分。(1) は(2)のための公式作りであり、Q が「原点から直線 AP へ下ろした垂線の足」だと捉えると自然に進む。展開では a2+b2ax の符号ではなく2乗を使うため、途中で平方根を取らないことが安全である。最後に逆向きを書くと、得た方程式が単なる必要条件でないことを保証できる。 公式出題意図は空間図形・空間ベクトル・二次曲線であり,(1)の関係を証明して(2)の軌跡を決める構成である。射影による方法と三角形の面積による方法が同じ二次方程式を与える。

冊子PDFで見る阪大のベクトルの問題で問題集を作る

出典: 大阪大学 令和5年度一般選抜(前期日程)数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。