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大阪大学 2024年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第5問

自然数1,2,3,,nのうち,
nと互いに素であるものの個数をf(n)とする.

(1) 自然数a,b,cおよび相異なる素数p,q,rに対して,等式f(paqbrc)=pa1qb1rc1(p1)(q1)(r1)が成り立つことを示せ.

(2) f(n)nの約数となる5以上100以下の自然数nをすべて求めよ.

難易度7/ 10計算量7/ 10目安25

整数場合の数 素因数分解、包除原理、約数・倍数

方針

(1)p,q,r のいずれでも割り切れない数を数えればよいので,包除原理で N(11/p)(11/q)(11/r) と因数分解する。(2) では一般の n について,相異なる素因数の集合だけで n/f(n)=p1p2pk(p11)(p21)(pk1) が決まることを使う。f(n)n の約数である条件はこの比が整数であること。100 以下という制約から,素因数集合が {2} または {2,3} に限られることを示し,最後に指数を列挙する。

解答

(1) N=paqbrc とおく。1,2,,N のうち,N と互いに素であるものは,p,q,r のいずれでも割り切れない数である。

包除原理を用いると,その個数はNNpNqNr+Npq+Npr+NqrNpqrである。これは N(11p)(11q)(11r) に等しい。したがってf(paqbrc)=paqbrcp1pq1qr1rであり,f(paqbrc)=pa1qb1rc1(p1)(q1)(r1) が成り立つ。

(2) n の相異なる素因数を p1,p2,,pk とする。(1)と同じ包除原理により f(n)=n(11p1)(11p2)(11pk) である。したがって nf(n)=p1p2pk(p11)(p21)(pk1) である。f(n)n の約数であることは,この n/f(n) が整数であることと同値である。

まず,2n の素因数でないとする。このとき各 pj は奇素数なので,分子 p1p2pk は奇数である。一方,分母 (p11)(p21)(pk1) は偶数を因数にもつ。よって約分しても分母に 2 の因数が残り,n/f(n) は整数にならない。したがって 2 は必ず素因数に含まれる。

次に,2 は含むが 3 は含まない場合を考える。素因数が 2 だけならよい。もし 5 以上の奇素数を含むなら,n100 より,そのような奇素数は高々2個である。実際,3個あれば最小でも n25711>100 となる。奇素数が1個なら 2<2p/(p1)5/2<3 である。2個を p<q とすると,2pq100 を満たすのは (p,q)=(5,7) だけであり,このときも 25476=3512<3 である。よってこの場合 n/f(n) は整数にならない。したがって,3 を含まないなら素因数集合は {2} に限られる。

最後に,23 を含む場合を考える。5 以上の素因数をさらに2個含めると,最小でも 2357=210>100 となるので,追加できる素因数は高々1個である。追加素因数を p5 とすると nf(n)=232pp1=3pp1 であり,3<3pp1154<4 だから整数にならない。したがって,この場合の素因数集合は {2,3} に限られる。

以上より,条件を満たす nn=2a または n=2a3b(a1, b1) の形に限られる。逆にこれらの形では nf(n)=2または3 となるので,確かに f(n)n の約数である。 5n100 を満たすものを列挙する。2a 型からは 8, 16, 32, 64 を得る。2a3b 型からは 6, 12, 18, 24, 36, 48, 54, 72, 96 を得る。したがって求める自然数は 6, 8, 12, 16, 18, 24, 32, 36, 48, 54, 64, 72, 96 である。

総評

互いに素な個数を数える関数を,素因数の種類だけに注目して扱う整数問題。目安時間は25分。(1) の包除原理で得た形を (2) の一般の n に拡張し,n/f(n) が指数ではなく素因数集合だけで決まると見抜くのが核心である。100 以下という制限により,余計な素因数を含む場合は比が 23,または 34 の間に落ちて整数でない,と絞れる。最後の列挙では 22=4 を範囲外として除き,2a3b を漏れなく並べる。

公式出題意図との対応:素数と互いに素な整数の個数を題材に、素数の基本事項から条件を正確に決定する問題。解答では,この観点に対応する条件設定,途中式,必要十分性または検算を明示した。

出典確認:大阪大学公式の令和6年度ページ保存版で問題PDFの識別子と科目対応を確認した。問題本文は同年度の紙面PDF第5ページと原寸照合し,公式「出題の意図」も確認した。公式資料は数値解答ではなく出題意図のみである。

独立検算:5n100を全探索してf(n)を最大公約数から直接数え、解13個が答案の列挙と完全一致することを確認した。

冊子PDFで見る阪大の整数の問題で問題集を作る

出典: 大阪大学 令和6年度一般選抜 数学B(理系数学) 公式問題・出題の意図(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。