問題
実数に対してとする.ただし,は自然対数の底である.
(1) のとき,不等式が成り立つことを示せ.
(2) をみたす実数に対して
とするとき,を求めよ.
方針
解法1
(1) は上からの評価を による単調性で示し,下からの評価を の増加性で示す。 は, をさらに導関数で確認するとよい。(2) は と置換して積分区間を に固定し,(1) の で積分全体をはさむ。最後の は で評価する。
解法2(凸性と誤差評価を用いる方法)
から凸性を使い,接線による下側評価 を短く導く。置換後は極限と積分の交換を言葉だけで済ませず, の一様な上界から積分誤差を直接 に抑える。
解答
解法1
(1)
より である。 では , だから である。したがって はこの区間で減少し, を得る。
次に下からの評価を示す。 とおくと である。ここで とおく。すると であり,さらに である。 だから, で である。よって は増加し, なので である。したがって となり, を得る。よって は増加し, であるから すなわち である。以上より が成り立つ。
(2)
と置換する。 であり, から まで動くとき から まで動く。 だから
である。 のとき であるから,(1)より である。また なので
である。右辺と左辺の差は であり,積分部分は有限な定数である。したがって のときこの差は に近づく。はさみうちの原理より である。
最後にこの積分を計算する。
である。また とおくと, のとき , のとき であり, である。よって である。
解法2(凸性と誤差評価を用いる方法)
(1)
まず
である。 では だから
また同じ区間で だから は下に凸であり,グラフは における接線以上にある。 より
したがって
である。
(2)
次に と置くと
では (1) より
したがって
右辺は で に収束する。よって