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大阪大学 2026年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第3問

aを実数とし,複素数zに対してf(z)=(1ai)z+(1+ai)z2とする.ただし,iは虚数単位,zzと共役な複素数である.

(1) f(z)は実数であることを示せ.

(2) 実数aに対して,z=1かつf(z){f(z)f(i)2}=2f(i)となるような複素数zの個数をN(a)とする.N(a)を求めよ.

難易度5/ 10計算量4/ 10目安18

複素数平面図形と方程式 実部虚部比較、座標設定、場合分け

方針

z=x+yi と置いて,まず f(z) を実座標で表す。すると f(z)=x+ay となり,条件式は f(z) だけの二次方程式に分解できる。したがって単位円 x2+y2=1 と,直線 x+ay=ax+ay=2 の交点数を数える問題になる。2本の直線が一致する例外 a=2 を最後に必ず除いて数える。

解答

(1) z=x+yi とおく。ただし x,y は実数である。このとき z=xyi だからf(z)=(1ai)(x+yi)+(1+ai)(xyi)2=(x+ay)+(yax)i+(x+ay)+(y+ax)i2=x+ayである。x,y,a はいずれも実数なので,x+ay は実数である。したがって f(z) は実数である。

(2)
(1)より,z=x+yi とすると f(z)=x+ay である。また i=0+1i だから f(i)=a である。条件式は f(z){f(z)a2}=2a すなわち f(z)2(a+2)f(z)+2a=0 である。これは {f(z)a}{f(z)2}=0 と因数分解できる。したがって求める点は,単位円 x2+y2=1 上にあり,かつ x+ay=a または x+ay=2 を満たす点である。

まず直線 L1: x+ay=a を考える。原点からこの直線までの距離は a1+a2 であり,これはすべての実数 a について a1+a2<1 を満たす。よって L1 は単位円と常に2点で交わる。

次に直線 L2: x+ay=2 を考える。原点から L2 までの距離は 21+a2 である。したがって,単位円との交点数は 21+a2>1a<3 のとき 0 個,21+a2=1a=3 のとき接して 1 個,21+a2<1a>3 のとき 2 個である。

ただし,L1L2 が一致する場合は重複して数えてはいけない。2本の直線は左辺が同じなので,一致するのは a=2 のときだけである。この場合は L1=L2 であり,単位円との交点は2個である。

以上よりN(a)={2(a<3),3(a=3),2(a=2),4(a>3, a2)である。

別解

解法2(偏角表示で個数を数える方法)

方針

z=1z=cosθ+isinθ と表し,f(z)=cosθ+asinθ の値域と各値を取る個数を利用する。単位円と直線の距離を用いる解法1と同じ幾何を,三角関数の振幅で処理する。

解答

(1)
z=x+iy とすればf(z)=x+ayR,なので (1) が示された。

(2)
また f(i)=a であり,条件式は{f(z)a}{f(z)2}=0と因数分解できる。

いま z=1 よりz=cosθ+isinθ(0θ<2π)とおく。このときf(z)=cosθ+asinθ=1+a2cos(θϕ)と書ける。ただし ϕ
cosϕ=1/1+a2
sinϕ=a/1+a2 を満たす角である。したがって方程式 f(z)=c の解の個数は{2(c<1+a2),1(c=1+a2),0(c>1+a2)である。

c=a については常に a<1+a2 だから2個である。c=2 については21+a2a3より,
a<3 で0個,
a=3 で1個,
a>3 で2個となる。

ただし a=2 では二つの条件 f(z)=af(z)=2 が同一であり,重複を除くと2個である。よってN(a)={2(a<3),3(a=3),2(a=2),4(a>3, a2).

総評

難度5,計算量4。想定時間は18分程度。第一の採点点は z=x+iy と置き,共役を展開して f(z)=x+ayR を得ることである。条件式は f(z) の二次方程式と見て (f(z)a)(f(z)2)=0 と因数分解する。その後は単位円と2本の平行線の交点数,または解法2の振幅で個数を数える。典型的な失点は,接する a=3 を2個と数えることと,a>3 の中にある a=2 で2条件が一致する例外を見落とすことである。最後は場合分けが重複せず全実数を覆うかまで確認したい。

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出典: 大阪大学 2026年度 一般選抜(前期日程)数学(理系・公式問題)(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。