方針
条件 2α+β=π/4 から β=π/4−2α とし、tan2α と tan(π/4−2α) を加法定理で表す。(2) では β>0 から分母が正であることを確認し、n=1+4m/(m2−2m−1) と変形して、正の整数候補を有限個に絞る。
解答
(1) tanα=m1 であるからtan2α=1−tan2α2tanα=1−1/m22/m=m2−12mである。
また β=4π−2α なのでtanβ=tan(4π−2α)=1+tan2α1−tan2αである。これに上の式を代入してtanβ=1+m2−12m1−m2−12m=m2+2m−1m2−2m−1となる。
一方、tanβ=1/n であるから n1=m2+2m−1m2−2m−1 であり、n=m2−2m−1m2+2m−1 である。
(2) β>0 だから tanβ>0 である。したがって (1) の分母 m2−2m−1 は正でなければならない。特に整数 m について m≧3 である。
また n=m2−2m−1m2+2m−1=1+m2−2m−14m である。n が整数となるには、正の整数 m2−2m−1 が 4m を割り切る必要がある。特に m2−2m−1≦4m である。すなわち m2−6m−1≦0 だから、m≧3 と合わせて m=3,4,5,6 だけを調べればよい。
実際に計算するとmm2−2m−1n3274723/751417/762347/23である。したがって整数となるのは m=3,n=7 だけである。
加法定理で tanβ を m の有理式に直し、整数条件を調べる
別解
解法2
方針
(1) 加法定理から n の式を得る。(2) d=m2−2m−1 とおくと、整数条件は d∣4m である。一方 d≡−1(modm) なので d と m は互いに素であり、d∣4 まで絞れる。
解答
(1) tan2α=1−1/m22/m=m2−12m.β=π/4−2α だからn1=tanβ=1+tan2α1−tan2α=m2+2m−1m2−2m−1.よってn=m2−2m−1m2+2m−1.(2) β>0 より分母は正で、整数 m について m≧3 である。ここでd=m2−2m−1とおくとn=1+d4m.n が整数なら d∣4m である。一方d≡−1(modm)だから d と m は互いに素である。したがって d∣4 でなければならない。
d>0 なので d=1,2,4 のいずれかであり、(m−1)2=d+2である。m が正の整数になるのは d=2、m−1=2 の場合だけである。よってm=3,n=1+24⋅3=7である。
総評
三角関数の加法定理と整数条件を組み合わせる問題。目安時間は21分。(1) は β=π/4−2α を作るのが自然である。(2) は β>0 から分母が正になることを先に確認し、n=1+4m/(m2−2m−1) として割り切り条件へ落とす。候補を m=3,4,5,6 に絞る過程を書けば、整数解の確認が十分に説得的になる。 2つの解法と解説図を相互に照合し、境界値・必要十分性・符号も確認した。
冊子PDFで見る東北大の三角関数の問題で問題集を作る
出典: 東北大学 1984年度 前期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。