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東北大学 1993年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第6問

方程式xcosx=20x2πにおける解をaとする.

(1) {}2つの不等式32π<a<2π
a2445aが成り立つことを示せ.

(2) {}2つの曲線y=sinxy=x4sin2xで囲まれる図形で,
0xπに対応する部分の面積をS
πxaに対応する部分の面積をTとするとき,
S>Tであることを示せ.

難易度8/ 10計算量7/ 10目安30

三角関数積分方程式・不等式 不等式評価面積計算定積分評価

方針

まず xcosx(3π/2,2π) で調べ、端点値と単調性から解 a の位置を押さえる。a244a/5 は2乗して a10/3 に直す。面積では2曲線の差を sinx(1xcosx/2) と因数分解し、[0,π][π,a] で上下関係が逆になることを確認する。積分後、(1)の不等式で ST>0 を示す。

解答

(1) h(x)=xcosx とおく。区間 3π/2<x<2π では cosx>0sinx<0 であるから h(x)=cosxxsinx>0 である。したがって h(x) はこの区間で増加する。

また h(3π2)=0<2,h(2π)=2π>2 である。よって方程式 xcosx=2 の解 a3π2<a<2π を満たす。

次に a2445a を示す。両辺は正なので、これは2乗して a241625a2 すなわち 9a2100 と同値である。したがって a10/3 を示せばよい。上で得た a>3π/2π>2 より a>3π2>3>103 とは言えないので、ここでは標準的な評価 π>209 を用いると 3π2>103 である。よって a>10/3 となり、求める不等式が成り立つ。

(2)

2曲線の差を調べるとsinxx4sin2x=sinxx2sinxcosx=sinx(1xcosx2)である。 0xπ では sinx0 であり、また xcosx2 なので sinxx4sin2x0 である。したがってS=0π{sinxx4sin2x}dxである。

一方、πxa では sinx0 であり、xcosxacosa=2 だから sinxx4sin2x0 である。よってT=πa{x4sin2xsinx}dxである。

ここで F(x)=cosx+xcos2x8sin2x16 とおくと F(x)=sinxx4sin2x である。したがって S=F(π)F(0)=(1+π8)(1)=2+π8 である。

また acosa=2 で、3π/2<a<2π だから cosa=2a,sina=a24a である。よって cos2a=8a21,sin2a=4a24a2 である。これを F(a) に代入すると F(a)=1aa8+a244a2 となる。したがって T=F(π)F(a)=1+π8+a8+1aa244a2 である。

よって ST=1a81a+a244a2 である。(1)より a244a/5 だから ST1a81a+15a=1a845a である。さらに a<2π<32/5 であり、a>3π/2>4 の範囲では右辺は減少するので1a845a>132/58454=14515=0より実際には正である。したがって ST>0 であり、S>T が示された。

別解

解法2

方針

2曲線の差 D(x) の符号を区間ごとに確認した後、ST を別々に計算せずST=0aD(x)dxとまとめる。原始関数を acosa=2 で整理し、(1)の平方根評価と 4<a<32/5 を使って正値を示す。

解答

(1)

h(x)=xcosx とおく。3π/2<x<2π ではh(x)=cosxxsinx>0.また h(3π/2)=0<2<h(2π)=2π なので、解 a は一意で3π2<a<2π.π>20/9 より a>10/3 である。両辺が正であることに注意して2乗するとa2445aa241625a2a103.よって第2の不等式も成り立つ。

(2) D(x)=sinxx4sin2x=sinx(1xcosx2).0xπ では D(x)0πxa では D(x)0 である。したがってST=0aD(x)dx.原始関数をF(x)=cosx+xcos2x8sin2x16とすればST=F(a)F(0)=F(a)+1.acosa=2、かつ sina<0 よりcosa=2a,sina=a24a.倍角公式を用いて整理するとST=1a81a+a244a2.(1)からST1a845a.さらに a<2π<32/5a>3π/2>4 なので1a845a>14515=0.よって ST>0、すなわち S>T である。

総評

三角方程式の解の位置評価と、面積差の符号評価を組み合わせる問題。(1)では (3π/2,2π)xcosx が増加することを確認し、解の位置をただの図示で済ませないことが重要である。(2)は2曲線の差を sinx(1xcosx/2) と因数分解すると、区間ごとの上下関係が明確になる。積分後の ST はそのままでは分かりにくいので、(1)の a24 の下からの評価を使うのが誘導の意図である。 面積を別々に求める方法と差を一括積分する方法で ST を照合し、誘導不等式から正値を示した。

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出典: 東北大学 1993年度 前期日程 第2次学力試験 理系 前期 第6問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。