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東北大学 1984年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第4問

曲線C:y=3elogxがある.
ここに対数は自然対数で,eはその底とする.

(1) 原点Oから曲線Cに引いた接線の方程式を求めよ.

(2) (1)における接線の接点をAとする.
曲線Cの下側にあって,x軸と点Bで接し,かつAで曲線Cと共通の接線をもつ円の中心をPとする.
曲線Cx軸および円の弧AB(中心角APB<πに対する弧)で囲まれた図形の面積を求めよ.

難易度8/ 10計算量8/ 10目安32

指数・対数微分積分図形と方程式 接線・法線円の性質面積計算、計算整理

方針

(1) は接点を x=u と置き、接線が原点を通る条件から u=e を求める。(2) は円が x 軸に接するので中心を (h,r)、半径を r と置く。点 A で曲線と共通接線をもつことから半径 PA は接線に垂直であり、そこから中心と半径を決める。面積は、曲線の下の面積と、媒介変数で表した円弧の下の面積を足して求める。

解答

(1)
曲線を y=3elogx とおく。x=u における接線は、導関数 y=3ex を用いて y=3elogu+3eu(xu) である。
これが原点を通るためには 0=3elogu3e すなわち logu=1 であればよい。よって u=e である。
したがって接点は A=(e,3e) であり、接線は y=3x である。

(2)
円は x 軸に接するので、中心を P=(h,r) 半径を r とおく。点 A における共通接線の傾きは 3 であるから、半径 PA はこの接線に垂直であり、傾きは 13 である。したがって 3ereh=13 である。また A は円周上にあるから (eh)2+(3er)2=r2 である。

上の2式からは候補として (h,r)=(2e,2e/3)(h,r)=(2e,23e) の2組を得る。後者では点 A は円の下側の弧にあり、その弧の x=e における第2導関数は 4/(3e)>0 である。一方、曲線 C の第2導関数は 3/e<0 だから、後者の円弧は A の近くで曲線 C より上側に出てしまう。したがって「曲線 C の下側にある」という条件を満たすのは h=2e, r=2e/3 の方だけである。よって P=(2e,2e3) であり、x 軸との接点は B=(2e,0) である。

求める図形は、曲線 Cx=1 から x=e までの部分、円弧 AB、および x 軸で囲まれる。曲線の下の面積は1e3elogxdx=3e[xlogxx]1e=3eである。

次に円弧 ABx=2e+rcosθ,y=r+rsinθ と表す。点 Aθ=5π/6、点 Bθ=3π/2 に対応し、この弧の中心角は 2π/3<π である。したがって円弧の下の面積は5π/63π/2ydxdθdθ=5π/63π/2(r+rsinθ)(rsinθ)dθである。この値はr25π/63π/2(sinθ+sin2θ)dθであり、5π/63π/2sinθdθ=32,5π/63π/2sin2θdθ=π338.だから5π/63π/2ydx=r2(538π3)である。r2=4e2/3 を代入して、円弧部分の寄与は4e23(538π3)=e2(5364π9)となる。

したがって求める面積は 3e+e2(5364π9) である。整理すると e18{183+(1538π)e} である。

曲線、x 軸、中心角 2π/3 の円弧で囲まれる領域

別解

解法2

方針

(1) 接点条件から A=(e,3e) と接線を求める。(2) 円の中心と半径を決めた後、境界を直線で結んだ三角形を基準にする。対数曲線と弦の間の面積を加え、円弧と弦の間の円弧部分を扇形から三角形を引いて求める。

解答

(1) x=u における接線はy=3elogu+3eu(xu).これが原点を通る条件は logu=1 だからA=(e,3e),y=3xである。

(2) 円の中心を P=(h,r) とする。x 軸と接するので半径は r である。A における半径は傾き 1/3 をもち、かつ PA=r である。条件を解いて「曲線の下側」にある方を選ぶとP=(2e,2e3),r=2e3,B=(2e,0)となる。半径 PA,PB のなす小さい角は 2π/3 である。

C=(1,0) とし、まず三角形 CAB の面積を取る。[CAB]=12(2e1)3e.線分 CA を対数曲線に置き換えると、増える面積は1e3elogxdx12(e1)3e=3e12(e1)3e=3e(3e)2.一方、線分 AB と小さい弧 AB の間の円弧部分は、中心角 2π/3 の扇形から三角形 PAB を引いてSseg=12r22π312r2sin2π3=4πe293e23.この円弧は三角形 CAB の内側へふくらむので、この面積を引く。したがって求める面積はS=3e(2e1)2+3e(3e)2(4πe293e23)=3e+e2(5364π9)=e18{183+(1538π)e}.

総評

接線、接円、弧を含む面積を組み合わせる計算量の大きい問題。目安時間は32分。(1) は接線が原点を通る条件から logu=1 が出る。(2) は中心を (h,r) と置き、x 軸への接触と A での共通接線から中心を決めるのが第一関門である。面積計算では、円弧の x 座標が単調でないため、媒介変数による ydx で向きを管理することが重要である。 2つの解法と解説図を相互に照合し、境界値・必要十分性・符号も確認した。

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出典: 東北大学 1984年度 前期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。