方針
各回の直前の濃度を として,1回の移動後の , を体積で重み付けして求める。差 は1本の漸化式になり,全体の食塩量から決まる平均濃度は不変である。この不変量と差を組み合わせれば が直接求まる。
解答
初めの濃度を とする。以下, 回の操作後の濃度を とする。
(1)
ある回の操作前の濃度を とする。まず から を に移すと, には の食塩水が入り,その濃度は である。よく混ぜた後,この から を に戻すので,操作後の の濃度は である。
一方, には初め あったが, を出した後に が残る。その濃度はまだ である。そこへ濃度 の食塩水 が戻るからである。したがってとなる。
よって であり, は初項 ,公比 の等比数列である。
(2)
操作では食塩水を2つの容器の間で移しているだけなので,全体の食塩量は変わらない。全体 の平均濃度を とすると である。したがって任意の について すなわち が成り立つ。
また (1) より である。 を に代入すると より である。さらに である。
よってである。
別解
解法2
方針
全体の平均濃度 を先に固定し、各容器の濃度が からどれだけずれているかを追う。1回の操作で両方のずれが 倍になることを示せば、差の等比性と一般項を同時に得られる。
解答
初期値を とする。全体の食塩量は変わらないので、10リットル全体の平均濃度は操作中ずっと一定である。
1回の操作によってとなる。ここで を使うとしたがって(1) 差を取ればであり、初項 、公比 の等比数列である。
(2) また
総評
難易度は5,計算量は4程度である。想定時間は12分から18分程度。混合問題では,何リットルがどの濃度で残るかを体積付きで書くことが採点の中心になる。 から戻す1リットルの濃度は,移す前の ではなく,混ぜた後の である。差が等比数列になることと,全体平均が不変であることを分けて使えば,答案が短く正確になる。指数の添字は「操作後」を基準にそろえ,初期値を と明記すると,公比のずれを防げる。