方針
与えられた和を Sn と置き、階差 Sn−Sn−1 がちょうど anbncn になることを利用して cn を求める。後半は cn1 を部分分数分解するが、対数級数を使う必要はなく、3n−1(n+1)1−3n(n+2)1 という差に直すとそのまま消去和になる。
解答
(1)
等差数列 {an} は初項7、公差2であるから an=7+2(n−1)=2n+5. 等比数列 {bn} は初項 31、公比 31 であるから bn=(31)n=3−n. 与えられた等式の右辺を Sn=31(n+1)(n+2)(n+3) とおく。このとき k=1∑nakbkck=Sn であるから、n≧2 では anbncn=Sn−Sn−1 となる。右辺を計算すると Sn−Sn−1=31{(n+1)(n+2)(n+3)−n(n+1)(n+2)} =31(n+1)(n+2){(n+3)−n}=(n+1)(n+2). n=1 でも同じ式が成り立つ。したがって (2n+5)3−ncn=(n+1)(n+2) であり、cn=2n+53n(n+1)(n+2). (2)
(1) より cn1=3n(n+1)(n+2)2n+5. ここで (n+1)(n+2)2n+5=n+13−n+21 である。よって cn1=(n+13−n+21)3n1. 右辺は 3n−1(n+1)1−3n(n+2)1 と書ける。
したがって第 N 項までの和はn=1∑Ncn1=n=1∑N{3n−1(n+1)1−3n(n+2)1}.これは途中の項が順に消えて n=1∑Ncn1=21−3N(N+2)1 となる。N→∞ とすると 3N(N+2)1→0 であるから n=1∑∞cn1=21.
別解
解法2(積分表示で級数を足す)
方針
一般項は部分和の階差から求める。(2)では消去和を使わず、分母 n+r の逆数の定積分表示と等比級数を組み合わせ、無限和全体を1本の定積分へ変える。
解答
(1)
右辺を Sn とおくとanbncn=Sn−Sn−1=(n+1)(n+2).また an=2n+5、bn=3−n だからcn=2n+53n(n+1)(n+2).(2)
まずcn1=3n1(n+13−n+21).ここでn+11=∫01xndx,n+21=∫01xn+1dxを用いる。0≦x≦1 では等比級数が収束するのでn=1∑∞cn1=∫01(3−x)n=1∑∞(3x)ndx=∫01(3−x)3−xxdx=∫01xdx=21.
総評
難度は10段階で5、計算量は10段階で4程度。試験場ではおよそ26分を見込む。前半は和の式から一般項を取り出す典型問題で、Sn−Sn−1 を使う判断がすべてである。後半は見た目よりも簡単で、cn1 が消去和になるように分解できる。対数を含む級数公式へ進むより、有限和で 21−3N(N+2)1 まで出す方が高校数学の答案として自然で、計算ミスも少ない。
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出典: 東北大学 1982年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。