Evolton

東北大学 1985年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第4問

空間内の3直線l0:y=z=0,l1:x2=y=z1,l2:x=y=z+1を考える.
l0上の点P(t,0,0)に対し,
Pを通りl1l2と交わる直線をgとする.

(1) gの方程式を求めよ.

(2) gl1l2との交点をそれぞれQRとする.
Pl0上を動くとき,QRの最小値を求めよ.

難易度7/ 10計算量6/ 10目安25

ベクトル図形と方程式 座標設定、計算整理、微分による最大最小

方針

l1,l2 上の点をそれぞれ1つの媒介変数で表し,それらと P(t,0,0) が一直線上にある条件を成分で解く。実際には比例定数が 1 となり,PQR の中点になる。交点が出たら QR2t の2次式にして平方完成し,最小値を求める。

解答

(1) l1 上の点を Q=(2u,u,u+1) とおく。また l2 上の点を R=(v,v,v1) とおく。求める直線 gP(t,0,0)QR を通るので,QPRP が平行である。

そこで RP=λ(QP) とおく。成分で書くと (vt,v,v1)=λ(2ut,u,u+1) である。第2成分と第3成分から v=λu,v1=λ(u+1) を得る。両式を引くと 1=λ である。したがって v=u である。これを第1成分に代入すると ut=(2ut) となり 3u=2t すなわち u=2t3,v=2t3 を得る。

よって Q=(4t3,2t3,2t3+1) であり,QP=(t3,2t3,2t3+1) である。方向ベクトルを3倍して,求める直線は g:(x,y,z)=(t,0,0)+s(t,2t,2t+3) と表せる。ただし s は実数である。

(2)
(1) で求めた通り Q=(4t3,2t3,2t3+1) である。また R=(2t3,2t3,2t31) である。したがってQR=RQ=(2t3,4t3,4t32)であり,QR2=(2t3)2+(4t3)2+(4t3+2)2=4t29+16t29+(16t29+16t3+4)=4t2+16t3+4=4(t+23)2+209である。よって最小は t=23 のときで,QRmin2=209 である。したがって QRmin=253 である。

別解

解法2

方針

Q,R を媒介表示し、線分 QRx 軸と交わる点を内分表示する。y=z=0 の2条件の差から内分比が1対1と分かるため、P は常に QR の中点である。この構造から交点と最短距離を求める。

解答

Ql1,Rl2Q=(2u,u,u+1),R=(v,v,v1)とおく。線分 QR 上の点を (1λ)Q+λR と表す。この点が x 軸上にあるためには、y,z 成分がともに0でなければならない。両成分の差を取ると(1λ)(zQyQ)+λ(zRyR)=(1λ)λ=0だから λ=1/2 である。したがって PQR の中点である。

(1) さらに yP=0 より (u+v)/2=0、したがって v=u である。xP=t よりt=2uv2=3u2なので u=2t/3 を得る。よってQ=(4t3,2t3,2t3+1)であり、直線 g(x,y,z)=(t,0,0)+s(t,2t,2t+3)(sR)である。

(2) P は中点だから QR=2PQ である。またPQ2=(t3)2+(2t3)2+(2t3+1)2=(t+23)2+59.したがって t=2/3 のときQRmin=259=253である。

総評

難易度は7,計算量は6程度である。想定時間は22分から30分程度。直線同士の交点を媒介変数で置き,3点が一直線上にある条件を比例で処理するのが最も安定する。第2成分と第3成分から比例定数が 1 と出るため,P が中点になる構造を見落とさないと計算が短くなる。(2) は QR ではなく QR2 を平方完成する。符号つきの媒介変数 v=2t/3 を落とすと交点座標が崩れるので注意する。

冊子PDFで見る東北大のベクトルの問題で問題集を作る

出典: 東北大学 1985年度 前期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。