Evolton

東北大学 1984年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第3問

空間に3点A(2,2,12)
B(1,0,12)P(2p,p,3p)がある.

(1) Oを原点とするとき,
2つのベクトルABOPのなす角を求めよ.
ただし,p0とする.

(2)Pより直線ABに下ろした垂線の長さが52になるようにpの値を求めよ.

難易度4/ 10計算量4/ 10目安22

ベクトル ベクトル成分計算内積の利用座標設定

方針

(1)ABOP=p(2,1,3) の内積で角を求める。p の符号で OP の向きが反転するため、角も2通りに分かれる。(2) は点から直線への距離を、AP から AB 方向の成分を引いた長さで求める。平方のまま計算し、距離の条件を二次方程式にする。

解答

(1) AB=(1(2),02,12(12))=(3,2,1)であり、OP=(2p,p,3p)=p(2,1,3) である。したがってABOP=32p+(2)p+13p=7pである。また AB=32+(2)2+12=14, OP=p22+12+32=p14 である。なす角を θ とすると cosθ=7p14p14=p2p である。
よってp>0 のとき cosθ=12,p<0 のとき cosθ=12であるから、p>0 のとき θ=π3,p<0 のとき θ=2π3である。

(2) AP=(2p+2,p2,3p+12) である。直線 AB の方向ベクトルは d=AB=(3,2,1) である。点 P から直線 AB への距離の2乗は、AP から d 方向の成分を除いた部分の長さの2乗だからAP2(APd)2d2である。

まずAP2=(2p+2)2+(p2)2+(3p+12)2=14p2+7p+334である。またAPd=3(2p+2)2(p2)+3p+12=7p+212であり、d2=14 である。したがって距離の2乗は14p2+7p+334(7p+212)214=84p228p+38となる。

この距離が 5/2 であるから 84p228p+38=54 である。整理して 84p228p7=0 すなわち (6p+1)(2p1)=0 である。よって p=16,p=12 である。

垂足を H=A+λAB とおき、PHAB を使う

別解

解法2

方針

(1) 内積を計算し、p の符号による向きの反転を場合分けする。(2) 垂足を H=A+λAB とおき、PHAB=0 から λ を決める。得た PH2 を指定値 5/4 と等置する。

解答

(1) AB=(3,2,1),OP=p(2,1,3).内積と長さはABOP=7p,AB=14,OP=p14.よって、なす角を θ とすればcosθ=p2p.したがってθ={π/3(p>0),2π/3(p<0)である。

(2) 垂足をH=A+λABとおく。AP=(2p+2,p2,3p+1/2) であり、APAB=7p+212,AB2=14だから、PHAB よりλ=APABAB2=p2+34.PH=APλAB=(p214, 2p12, 5p214).したがってPH2=84p228p+38.これが 5/4 に等しいので84p228p7=0,すなわち7(6p+1)(2p1)=0.よってp=16,p=12である。

総評

空間ベクトルの内積と点から直線への距離を扱う問題。目安時間は22分。(1) は p の符号で OP の向きが変わるため、角を1つに決めてしまわないこと。(2) は距離を平方のまま処理すると根号を避けられる。方向成分を引く式を使う場合、APAB の計算が得点の中心になる。 2つの解法と解説図を相互に照合し、境界値・必要十分性・符号も確認した。

冊子PDFで見る東北大のベクトルの問題で問題集を作る

出典: 東北大学 1984年度 前期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。