方針
(1) は f(x)−53 を因数分解し、比を一次式に直すだけで示せる。(2)は xn−53 の符号と絶対値の変化を見る。前問の不等式から、次の項は 53 を挟んで反対側へ移り、しかも距離は縮む。初めの2項の位置を確認して、偶数番目は下から増加、奇数番目は上から減少することを示す。
解答
(1)
まず f(x)−53=25x(1−x)−53 を因数分解する。展開して整理すると f(x)−53=−25(x−53)(x−52) である。したがって x=53 のとき x−53f(x)−53=−25(x−52) である。
いま 52<x<54 だから 0<x−52<52 であり、両辺に −25 を掛けると不等号の向きが変わって −1<−25(x−52)<0 となる。よって −1<x−53f(x)−53<0 である。
(2)
まず x0=21 なので 52<x0<53 である。また x1=f(21)=25⋅21⋅21=85 だから 53<x1<54 である。
ここで、52<xn<54、xn=53 が成り立つとする。(1)より −1<xn−53xn+1−53<0 である。したがって xn+1−53 は xn−53 と符号が反対で、しかも絶対値は小さくなる。すなわち 0<xn+1−53<xn−53 である。
このことから、x0 が 53 より小さく、x1 が 53 より大きいので、偶数番目は常に 53 より小さく、奇数番目は常に 53 より大きい。また距離が毎回小さくなるため、偶数番目は増加し、奇数番目は減少する。したがってx0<x2<⋯<x2k<x2k+2<⋯<53<⋯<x2k+3<x2k+1<⋯<x3<x1が成り立つ。
別解
解法2:不動点からの誤差を追う
方針
不動点 3/5 からの差を en と置く。因数分解により、差は毎回符号を変えながら絶対値が縮むことを示し、偶数列と奇数列の単調性を同時に得る。
解答
(1) f(x)−53=−25(x−53)(x−52).したがって x=3/5 ならx−3/5f(x)−3/5=−25(x−52).2/5<x<4/5 では右辺は −1 と0の間にある。
(2) en=xn−53とおく。(1)からen+1=−25(xn−52)en.2/5<xn<4/5 なら−1<−25(xn−52)<0.よって en+1 は en と反対符号で、0<∣en+1∣<∣en∣.実際x0=21<53,x1=85>53.したがって帰納的に、偶数番目は 3/5 より下で増加し、奇数番目は 3/5 より上で減少する。ゆえにx0<x2<⋯<x2k<x2k+2<⋯<53かつ53<⋯<x2k+3<x2k+1<⋯<x3<x1.
総評
難度は10段階中7、計算量は10段階中5。式変形は短いが、(2)では「反対側へ移る」と「距離が縮む」を同時に読む必要がある。xn が常に 52,54 に入ることは、53 からの距離が初期より小さくなることで保証される。試験場では18分程度で、偶数列と奇数列を分けた単調性の説明を丁寧に書きたい。
冊子PDFで見る東北大の関数の問題で問題集を作る
出典: 東北大学 1990年度 後期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。