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東北大学 1990年度 後期日程 第2次学力試験文系(後期)数学 第4問

関数f(x)=52x(1−x)について考える.

(1) 25<x<45,x≠35のとき,
不等式−1<f(x)−35x−35<0が
成り立つことを示せ.

(2) 数列{xn}をx0=12,xn+1=f(xn)(n=0, 1, 2, ⋯⋯ )により定義する.x0<x2<⋯⋯<x2k<x2k+2<⋯⋯<35<⋯⋯<x2k+3<x2k+1<⋯⋯<x3<x1となることを示せ.

難易度7/ 10計算量5/ 10目安25分

関数、数列 不等式評価、帰納的定義の利用、範囲評価

方針

(1) は f(x)−35 を因数分解し、比を一次式に直すだけで示せる。(2)は xn−35 の符号と絶対値の変化を見る。前問の不等式から、次の項は 35 を挟んで反対側へ移り、しかも距離は縮む。初めの2項の位置を確認して、偶数番目は下から増加、奇数番目は上から減少することを示す。

解答

(1)
まず f(x)−35=52x(1−x)−35 を因数分解する。展開して整理すると f(x)−35=−52(x−35)(x−25) である。したがって x≠35 のとき f(x)−35x−35=−52(x−25) である。

いま 25<x<45 だから 0<x−25<25 であり、両辺に −52 を掛けると不等号の向きが変わって −1<−52(x−25)<0 となる。よって −1<f(x)−35x−35<0 である。

(2)
まず x0=12 なので 25<x0<35 である。また x1=f(12)=52⋅12⋅12=58 だから 35<x1<45 である。

ここで、25<xn<45、xn≠35 が成り立つとする。(1)より −1<xn+1−35xn−35<0 である。したがって xn+1−35 は xn−35 と符号が反対で、しかも絶対値は小さくなる。すなわち 0<∣xn+1−35∣<∣xn−35∣ である。

このことから、x0 が 35 より小さく、x1 が 35 より大きいので、偶数番目は常に 35 より小さく、奇数番目は常に 35 より大きい。また距離が毎回小さくなるため、偶数番目は増加し、奇数番目は減少する。したがってx0<x2<⋯<x2k<x2k+2<⋯<35<⋯<x2k+3<x2k+1<⋯<x3<x1が成り立つ。

別解

解法2:不動点からの誤差を追う

方針

不動点 3/5 からの差を en と置く。因数分解により、差は毎回符号を変えながら絶対値が縮むことを示し、偶数列と奇数列の単調性を同時に得る。

解答

(1) f(x)−35=−52(x−35)(x−25).したがって x≠3/5 ならf(x)−3/5x−3/5=−52(x−25).2/5<x<4/5 では右辺は −1 と0の間にある。

(2) en=xn−35とおく。(1)からen+1=−52(xn−25)en.2/5<xn<4/5 なら−1<−52(xn−25)<0.よって en+1 は en と反対符号で、0<∣en+1∣<∣en∣.実際x0=12<35,x1=58>35.したがって帰納的に、偶数番目は 3/5 より下で増加し、奇数番目は 3/5 より上で減少する。ゆえにx0<x2<⋯<x2k<x2k+2<⋯<35かつ35<⋯<x2k+3<x2k+1<⋯<x3<x1.

総評

難度は10段階中7、計算量は10段階中5。式変形は短いが、(2)では「反対側へ移る」と「距離が縮む」を同時に読む必要がある。xn が常に 25,45 に入ることは、35 からの距離が初期より小さくなることで保証される。試験場では18分程度で、偶数列と奇数列を分けた単調性の説明を丁寧に書きたい。

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出典: 東北大学 1990年度 後期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。