Evolton

東北大学 1995年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第2問

関数y=−x4+x3+x2−x−∣x4+x3−x2−x∣の増減を調べ,そのグラフをかけ.

難易度6/ 10計算量6/ 10目安20分

関数、微分 絶対値の処理、増減表、グラフの概形

方針

絶対値の中身 x4+x3−x2−x を因数分解し,符号が変わる点を確認する。重解 x=−1 では符号が変わらないので,実際の分岐点は x=0,1 である。各区間で関数を多項式に直し,導関数の符号,端点の値,折れ曲がりを整理してグラフを描く。

解答

絶対値の中身を h(x)=x4+x3−x2−x とおく。因数分解すると h(x)=x(x+1)2(x−1) である。(x+1)2≧0 であり,x=−1 では符号は変わらない。したがって h(x) の符号は x(x−1) の符号で決まり,h(x)≧0(x≦0, 1≦x),h(x)<0(0<x<1) である。

よって与えられた関数はy={2x2−2x4(x≦0, 1≦x),2x3−2x(0≦x≦1)と表される。

まず x≦0 では y′=4x−8x3=4x(1−2x2) である。したがって (−∞,−1/2) で増加,(−1/2,0) で減少 となる。この区間での主な値は y(−12)=12,y(0)=0 である。

次に 0≦x≦1 では y′=6x2−2=2(3x2−1) であるから (0,1/3) で減少,(1/3,1) で増加 である。値はy(13)=2⋅133−2⋅13=−433,y(1)=0である。

最後に x≧1 では再び y=2x2−2x4 であり,y′=4x(1−2x2)<0 なので単調に減少する。また x→±∞ で y→−∞ である。

以上より,グラフは (−1/2,1/2) で極大,(1/3,−4/(33)) で極小をもち,(0,0) と (1,0) では絶対値の符号が変わるため折れ曲がる。これらの点と増減をもとにグラフを描けばよい。

枝をつないだグラフの概形

別解

解法2

方針

絶対値を「2つの式の小さい方」として読み替える。2本の多項式曲線を別々に調べ、交点ごとに下側の枝をつなぐことで、増減と折れ曲がりを同時に把握する。

解答

与式の絶対値の前までを F(x)、絶対値の中を H(x) とするとy=F(x)−∣H(x)∣=min⁡{F(x)−H(x), F(x)+H(x)}.実際に計算すればF(x)−H(x)=2x2(1−x2),F(x)+H(x)=2x(x2−1).両者の差は2x2(1−x2)−2x(x2−1)=−2x(x−1)(x+1)2である。したがって下側の枝はy={2x2(1−x2)(x≦0, 1≦x),2x(x2−1)(0≦x≦1)となる。

第1の枝の導関数は 4x(1−2x2)、第2の枝の導関数は
2(3x2−1) である。よって増減はx−∞−120131+∞y−∞↗12↘0↘−433↗0↘−∞と読める。x=0,1 では選ぶ枝が切り替わるため折れ曲がる。
以上の点を滑らかな各多項式の枝で結べば、求めるグラフが得られる。

総評

難度は10段階中6、計算量は10段階中6。目安時間は20分。絶対値の中身の因数分解,符号表,区間ごとの微分がすべて必要になる。特に (x+1)2 は重解なので x=−1 で符号が変わらない点が落とし穴である。グラフでは極大・極小だけでなく,x=0,1 で式が切り替わること,無限遠で下へ向かうことまで整理すると,図の形を誤りにくい。 2解法の結論を照合し、端点・符号・定義域・必要十分性を再確認した。図を含む場合は本文との対応と縮尺に依存しない論証も確認している。

冊子PDFで見る東北大の関数の問題で問題集を作る

出典: 東北大学 1995年度 前期日程 文系 第2問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。