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東北大学 1991年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第4問

(1,1)を点(2,2)に点(1,1)を点(2,0)に移す1次変換をfとする.
さらに,直線l:x+y=1上の点Pn (n=1,2,3,)を次のように帰納的に定める。

(i) 点(12,12)P1とする.

(ii) Pnfで移した点をPnとし,
原点OPnを通る直線がlと交わる点をPn+1とする.

an=PnPn+1とすると,
a1,a2,,an,はどのような数列か.

難易度6/ 10計算量5/ 10目安20

行列数列 帰納的定義の利用、漸化式の変形、計算整理

方針

直線上の点を Pn=(un,1un) とおき、(1,1)(1,1) の一次結合に分ける。問題文で与えられた2方向の移り方をそのまま使って Pn を求め、原点からの倍率で直線 x+y=1 に戻す。得られる un+1=2un から距離の数列を決める。

解答

直線 l:x+y=1 上の点をPn=(un,1un)とおく。するとPn=(un12)(1,1)+12(1,1)である。

問題文の条件から、f(1,1)(2,2),(1,1)(2,0)と移す。したがってPn=(un12)(2,2)+12(2,0)=(2un,222un).この2座標の和は 2/2 である。

原点と Pn を結ぶ直線上の点は λPn と書ける。これが
x+y=1 上にある条件はλ22=1であるから、λ=2 である。よってPn+1=2Pn=(2un,12un),un+1=2un.u1=1/2 なのでun=2n2.さらにPnPn+1=(un+1un,un+1+un)であるからan=2un+1un=22n2.したがって、{an}an=222n1で表される、初項 2/2、公比 2 の等比数列である。

別解

解法2:直線上の符号付き座標

方針

直線 l の中点 (1/2,1/2) から方向 (1,1) への符号付き座標を sn とする。変換後に原点から直線へ戻す倍率が常に2 であることを使い、sn+1=2sn+1/2 を得る。

解答

Pn=(12,12)+sn(1,1)とおく。P1=(1/2,1/2) なので s1=0 である。

問題で与えられた2方向の移り方からf(Pn)=12f(1,1)+snf(1,1)=(22,0)+sn(2,2).この点の2座標の和は 2/2 である。したがって原点とこの点を結ぶ直線を
x+y=1 まで延ばす倍率は 2 である。ゆえにPn+1=(1,0)+2sn(1,1).これを中点基準で書き直すとPn+1=(12,12)(2sn+12)(1,1),したがってsn+1=2sn+12.rn=sn+1/2 とおけばrn+1=2rn,r1=12,なので rn=2n2 である。

隣り合う点の符号付き座標の差はsn+1sn=rn=2n2.方向ベクトル (1,1) の長さは 2 だからan=22n2=222n1.よって初項 2/2、公比 2 の等比数列である。

総評

1次変換で点を動かし、直線との交点を取り直す操作を数列化する問題である。目安時間は20分。点 Pn(un,1un) と置くと、2次元の操作が1つの漸化式 un+1=2un に落ちる。最後の距離は、直線 x+y=1 上の2点の差が (d,d) になることから 2d と処理するのが安全である。 2解法の結論を相互照合し、定義域、符号、端点、等号成立条件を確認した。 問題に即した高校数学の範囲だけで構成した。 図は立式の対応を示す解説図であり、結論には依存しない。

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出典: 東北大学 1991年度 前期 第4問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。