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東北大学 1992年度 後期日程 第2次学力試験文系(後期)数学 第2問

行列(abcd)で表される1次変換 f によって,円 x2+y2=1 が円 x2+y2=2 に変換され,
双曲線 xy=1 が双曲線 x2y2=4 に変換されるとき,この行列を求めよ.

難易度7/ 10計算量6/ 10目安22

行列図形と方程式 座標設定恒等式比較、計算整理

方針

変換後の座標を X=ax+byY=cx+dy とおく。円 x2+y2=1 が円 X2+Y2=2 に送られる条件から,X2+Y2 の係数を比較し,二つの列ベクトルの長さと直交条件を得る。次に,xy=1 上で X2Y2=4 が常に成り立つように,y=1/x として x2x2,定数項を比較する。

解答

変換後の点を X=ax+by,Y=cx+dy とおく。

まず,円 x2+y2=1 が円 X2+Y2=2 に送られる。したがって,x2+y2=1 の上で X2+Y2=2 が成り立つ。展開すると X2+Y2=(a2+c2)x2+2(ab+cd)xy+(b2+d2)y2 である。これが 2(x2+y2) に等しいので a2+c2=2,b2+d2=2,ab+cd=0 を得る。

次に,xy=1 の点が X2Y2=4 を満たす条件を調べる。展開すると X2Y2=(a2c2)x2+2(abcd)xy+(b2d2)y2 である。xy=1 だから y=1/x とおくと X2Y2=(a2c2)x2+2(abcd)+b2d2x2 である。これがすべての x0 で4に等しいためには a2c2=0,b2d2=0,2(abcd)=4 でなければならない。すなわち a2=c2,b2=d2,abcd=2 である。

これを先の円の条件と合わせる。a2+c2=2 かつ a2=c2 より a2=c2=1 である。同様に b2=d2=1 である。したがって abcd はそれぞれ 1 または 1 である。条件 abcd=2 が成り立つには ab=1,cd=1 でなければならない。

よって b=ad=c であり,a,c はそれぞれ ±1 をとる。求める行列は(1111),(1111),(1111),(1111)である。

別解

解法2

方針

円の像の条件を、変換行列の2本の列ベクトルが「長さ 2、互いに直角」であることとして読む。
第2列を第1列の90度回転で表し、双曲線の条件から符号を決める。

解答

変換後の座標をX=ax+by,Y=cx+dyとする。単位円が半径 2 の円へ移るため、2本の列ベクトルu=(a,c),v=(b,d)はともに長さ 2 で直交する。したがって、ある
ε{1,1} によって(b,d)=ε(c,a)と書ける。

この表示を用いるとX=axεcy,Y=cx+εay.よってX2Y2=(a2c2)(x2y2)4εacxy.xy=1 上でこれがつねに4となるにはa2c2=0,4εac=4が必要十分である。また a2+c2=2 だからa2=c2=1.さらに εac=1 であり、これを b=εc, d=εa に戻すとb=a,d=c.a,c をそれぞれ ±1 として(1111),(1111),(1111),(1111)を得る。各行列は円と双曲線の両方を指定された図形へ移す。

総評

二つの図形が一次変換でどう送られるかを係数比較で決める問題である。目安時間は22分。円の条件だけでは,長さと直角の条件までしか出ず,符号は決まらない。双曲線の条件で y=1/x と置き,x2x2,定数項を比較するのが決定打である。最後は ab=1cd=1 から符号を落とさず4つ列挙する必要がある。 2解法の結論、端点、等号条件を独立に照合した。行列を明示する問題なので、当時の高校課程に含まれる2次行列だけを用いている。

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出典: 東北大学 1992年度 後期 第2問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。