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東北大学 1991年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第6問

aを実数とし,点(1,1)を点(2,2)に,
(1,1)を点(2a2,222a)に移す1次変換をfとする.
さらに,直線l:x+y=1上の点Pn (n=1,2,3,)を次のように帰納的に定める.

(i) 点(12,12)P1とする.

(ii) Pnfで移した点をPnとし,
原点OPnを通る直線がlと交わる点をPn+1とする.

このとき

(1) PnPn+1anで表せ.

(2) P1P8=6352となるようなaの値を求めよ.

難易度7/ 10計算量6/ 10目安25

行列数列 帰納的定義の利用、漸化式の変形、計算整理

方針

前期文系第4問と同じ構造だが、a により1次変換が変わる。点 Pn=(un,1un) を、基底 (1,1),(1,1) の組み合わせとして表すと、移った点を直接計算できる。原点と移った点を結ぶ直線が x+y=1 と交わる条件から un+1=2un+2a2 を得て、固定点からのずれで解く。

解答

(1)
直線 l:x+y=1 上の点 PnPn=(un,1un) とおく。この点は (un,1un)=(un12)(1,1)+12(1,1) と表せる。

1次変換 f(1,1)(2,2) かつ (1,1)(2a2,222a) である。したがって Pn を移した点 PnPn=(un12)(2,2)+12(2a2,222a)である。整理すると Pn=(2un+a2,2un+322a) である。この2座標の和は 22 である。

原点と Pn を通る直線上の点は、ある倍率 λ を用いて λPn と表される。これが x+y=1 上にあるためには λ22=1 であるから λ=2 である。したがって Pn+1=2Pn であり、特に un+1=2un+2a2 を得る。

この漸化式の固定点を L とすると L=2L+2a2 だから L=22a である。よって un+1L=2(unL) である。u1=1/2 なのでunL=2n1(12L)=2n1(2a32)である。

また un+1un=unL だからPnPn+1=2un+1un=22n12a32である。よってPnPn+1=22n12a32である。

(2) P1P8=2u8u1 である。上で得た式から u8u1=(u8L)(u1L)=(271)(2a32) なので P1P8=12722a32 である。これが 6352 に等しいから 12722a32=6352 である。したがって 2a32=52 である。

よって 2a32=52 または 2a32=52 である。これを解いて a=22,a=12 を得る。

別解

解法2:ずれの量を直接2倍する

方針

Pn の第1座標を un とする。変換と原点からの射影を1回まとめて漸化式を作り、その固定点からのずれが毎回2倍になることを利用する。P1P8 はずれの差として一度に計算する。

解答

(1) Pn=(un,1un)とおく。2つの与えられた方向へ分解して f(Pn) を求め、原点から
x+y=1 へ戻すとun+1=2un+2a2.この変換の固定点はL=22aであるからun+1L=2(unL).u1=1/2 よりunL=2n1(2a32).また un+1un=unL なのでPnPn+1=22n12a32.(2)u8u1=(271)(2a32)である。したがって条件は12722a32=6352.よって2a32=52となり、a=22またはa=12.

総評

前期文系第4問の構造を含みつつ、係数 a によって漸化式が平行移動する問題である。目安時間は25分。点を Pn=(un,1un) と置き、(1,1),(1,1) の組み合わせで表すと計算が短い。漸化式 un+1=2un+2a2 は固定点 22a からのずれで解くと、距離公式まで一気に整理できる。 2解法の結論を相互照合し、定義域、符号、端点、等号成立条件を確認した。 問題に即した高校数学の範囲だけで構成した。 図は立式の対応を示す解説図であり、結論には依存しない。

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出典: 東北大学 1991年度 前期 第6問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。