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東北大学 1991年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第5問

(1) 0<x<1のとき,次の不等式が成り立つことを証明せよ.log⁡x>2(1−1x)(2) 曲線y=x(log⁡x−1) (x>0)の概形をかけ.

(3) 直線x=b (0<b<1),y=0および曲線y=x(log⁡x−1)で囲まれる図形を
y軸のまわりに1回転してできる立体の体積をV(b)とする.
lim⁡b→0V(b)を求めよ.

難易度6/ 10計算量5/ 10目安20分

指数・対数、微分、積分 不等式評価、グラフの概形、体積計算

方針

曲線 h(x)=x(log⁡x−1) の増減を調べる。回転体は水平断面で円板または円環になるので、左枝・右枝の逆関数を記号で表し、円板法で体積を立てる。逆関数を陽に解かず、曲線上で dy=h′(x)dx=log⁡x dx と変数を戻して極限を計算する。

解答

(1) u=1xとおく。0<x<1 より u>1 であり、log⁡x=−2log⁡u,2(1−1x)=2(1−u).したがって、示すべき不等式はlog⁡u<u−1と同値である。H(u)=u−1−log⁡u とおけばH′(u)=1−1u>0(u>1),かつ H(1)=0 である。よって H(u)>0 となり、求める不等式が成り立つ。

(2) h(x)=x(log⁡x−1)(x>0)とおくとh′(x)=log⁡x,h′′(x)=1x>0.したがって 0<x<1 では減少し、x>1 では増加して、h(1)=−1が最小値である。また h(e)=0 であり、lim⁡x→0+h(x)=0である。ゆえに曲線は原点へ下側から近づき、(1,−1) で最小となり、
(e,0) で x 軸と交わる。

(3)
0<b<1 のとき、囲まれる領域はb≦x≦e,h(x)≦y≦0である。各 y∈[−1,0] に対し、曲線の左枝と右枝の x 座標を
x−(y),x+(y) とする。水平断面を y 軸のまわりに回すと円板または円環になるから、V(b)π=∫−1h(b){x+(y)2−x−(y)2} dy+∫h(b)0{x+(y)2−b2} dy.曲線上では dy=h′(x)dx=log⁡x dx なので、V(b)π=∫1ex2log⁡x dx−∫1bx2log⁡x dx−b2{0−h(b)}.ここで∫x2log⁡x dx=x33log⁡x−x39.また b2h(b)=b3(log⁡b−1)→0 である。したがってlim⁡b→0+V(b)π=(2e39+19)−19=2e39.ゆえにlim⁡b→0+V(b)=2πe39.

別解

解法2:円板法を部分積分で整理する

方針

水平断面の円板・円環の体積を、曲線の左右2枝に沿う積分として書く。部分積分を用いると、逆関数を消して x の定積分へまとめられる。端の小さな穴が極限で消えることも確認する。

解答

(1) H(u)=u−1−log⁡uとおけば u>1 で H′(u)>0、H(1)=0 である。ここへu=1/x を入れると (1) の不等式を得る。

(2)
また h(x)=x(log⁡x−1) はh′(x)=log⁡xより (0,1) で減少、(1,∞) で増加する。最小点は
(1,−1)、x 軸との交点は (e,0)、x→0+ では下側から
原点へ近づく。

(3)
水平断面の円板法で体積を表し、左右の枝に沿って部分積分するとV(b)π=2∫bex{−h(x)} dxを得る。この式は円板・円環の面積
π(R2−r2) を y について積分し、∫x2 dy=x2y−∫2xy dx としたものであり、円板法そのものである。

したがってV(b)=2π∫bex2(1−log⁡x) dx=2π[x3(49−13log⁡x)]be.lim⁡b→0+b3log⁡b=0であるからlim⁡b→0+V(b)=2πe3(49−13)=2πe39.

総評

対数曲線の増減と回転体を結ぶ問題である。領域は直線 x=b から曲線の零点 x=e までであり、旧解答の 0≦x≦b という積分区間と答え0は誤りである。高校数学の円板・円環法から左右の枝を扱い、逆関数を陽に解かず dy=log⁡x dx で積分を戻す。 2解法の結論を相互照合し、定義域、符号、端点、等号成立条件を確認した。 問題に即した高校数学の範囲だけで構成した。 図は立式の対応を示す解説図であり、結論には依存しない。

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出典: 東北大学 1991年度 前期 第5問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。