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東北大学 1993年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第4問

rnを自然数,k0knを満たす整数とする.
集合T={iiは整数,1ir+n}からr+k個の数を取り出すとき,
その中に集合S={iiは整数,1ir}の元がすべて含まれる確率をanとおく.

(1) {}anrnkの式として表せ.

(2) {}r2のとき,n=1anを求めよ.

難易度6/ 10計算量6/ 10目安20

確率場合の数数列 数え上げ和の計算、部分分数分解

方針

TSr 個と、それ以外の n 個に分かれる。S の元をすべて含むには、残りの n 個からちょうど k 個を選べばよいので、まず組合せで an を出す。無限和では、n!/(n+r)! を隣り合う2項の差に分解して望ましい形の望遠和にする。k=0 だけは和が n=1 から始まる点が違うため別に扱う。

解答

(1)

集合 T は、集合 Sr 個の元と、それ以外の n 個の元からなる。T から r+k 個を選ぶ方法は全部で r+nCr+k 通りである。

その中に S の元がすべて含まれるためには、まず Sr 個はすべて選ばれ、残り k 個を TSn 個から選べばよい。したがって条件を満たす選び方は nCk 通りである。よって an=nCkr+nCr+k である。階乗で書けばan=n!k!(nk)!(r+n)!(r+k)!(nk)!=n!(r+k)!k!(r+n)!である。

(2) r2 とする。まずn!(n+r)!=1r1{n!(n+r1)!(n+1)!(n+r)!}が成り立つ。実際、右辺の中括弧はn!(n+r1)!(n+1)!(n+r)!=n!(n+r)n!(n+1)(n+r)!=(r1)n!(n+r)!である。

まず k1 の場合を考える。n<k では nCk=0 と見ればよいので、和は n=k から始まる。したがってn=1an=(r+k)!k!n=kn!(n+r)!=(r+k)!k!1r1n=k{n!(n+r1)!(n+1)!(n+r)!}である。これは望遠和になり、後ろの端は0に近づくのでn=1an=(r+k)!k!1r1k!(k+r1)!=r+kr1である。

次に k=0 の場合は an=r!n!(r+n)! であり、問題の和は n=1 から始まる。よってn=1an=r!n=1n!(n+r)!=r!1r11!r!=1r1である。

したがってn=1an={1r1(k=0),r+kr1(k1)である。

別解

解法2

方針

(1) の確率を階乗で表した後、n!(n+r)!01xn(1x)r1dxで表す。無限和と積分を交換して等比級数を先に足し、最後の有限積分を部分積分で評価する。

解答

(1)

Sr 個を必ず選び、残る n 個から k 個を選ぶのでan=nCkr+nCr+k=n!(r+k)!k!(r+n)!.(2)

部分積分を r1 回行うと01xn(1x)r1dx=n!(r1)!(n+r)!.したがってn!(n+r)!=1(r1)!01xn(1x)r1dx.k1 のとき an=0 (n<k) と考え、n=1an=(r+k)!k!(r1)!01(1x)r1n=kxndx=(r+k)!k!(r1)!01xk(1x)r2dx.最後の積分を部分積分で評価すると01xk(1x)r2dx=k!(r2)!(k+r1)!.よってn=1an=r+kr1(k1).k=0 では和が n=1 から始まるのでn=1an=r!(r1)!01(1x)r1x1xdx=r01x(1x)r2dx=1r1.したがってn=1an={1r1(k=0),r+kr1(k1).

総評

確率を組合せで表した後、階乗型の無限和を望遠和にする問題。(1)では、S の元をすべて含むという条件が「残り n 個から k 個を選ぶ」に変わることが中心である。(2)は n!/(n+r)! の差分分解を自分で確認してから使うと安全である。k=0 のときだけ和が n=1 から始まる影響で値が変わるため、k1 と同じ式に流し込まないことが大切である。 望遠和と定積分表示の2経路を用い、k=0 だけ和の始点が異なることを双方で分離した。

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出典: 東北大学 1993年度 前期日程 第2次学力試験 理系 前期 第4問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。