方針
1回の試行では,第1投を ,第2投を とおくと である。分布は差が になる組の数を数えると三角形型になる。期待値と分散は対称性とサイコロ1個の分散を使うと短い。(3)では6回の合計で最大値が30であることに注目し,29や28は最大からの不足分を数える。これにより全場合を展開せずに必要な組だけを数えられる。
解答
(1)
第1投の目を ,第2投の目を とすると である。 となるには を満たす の組を数えればよい。 のときは 通り, のときは 通り,というように, に対して組の数は 通りである。全体は 通りだから である。
(2)
分布は を中心に対称であるから である。
また で, は独立で同じ分布をもつ。サイコロ1個についてより である。したがって である。
(3)
1回の試行で最大の移動量は であり,これは の1通りで起こる。6回の合計の最大値は である。
合計が になるには,最大値30から不足が1だけ出ればよい。つまり1回だけ で,残り5回は である。 となる組は 通りであるからである。
合計が になるには,最大値30から不足が2出ればよい。これは または のどちらかである。 となる組は 通り, となる組は 通りである。よって、求める確率は
別解
解法2
方針
1回分の差の分布を対称な表として作り、期待値・分散をその表から直接求める。
6回後の29、28は、最大値30からの不足を表す母関数の低次係数として数える。
解答
(1)
第1投を 、第2投を とすれば である。
となる組は 通りなので(2)
分布が0について対称だから である。また(3)
1回の最大値は5である。最大値からの不足を とすると、
不足 を生じるサイコロの組数はそれぞれ である。
6回分の不足の総和に対する組数はの係数で読める。合計29は不足1だから、 の係数は合計28は不足2だから、 の係数は全事象は各試行36通り、6回で 通りなので
総評
サイコロの差の分布と,最大値からの不足分を使う確率問題である。目安時間は18分。(1)の分布は という形を作ると後が楽になる。(3)で全ての合計を畳み込もうとすると重くなるが,29と28は最大30に近いため,不足1,不足2だけを数えればよい。 が2通り, が3通りであることを落とさないのが計算上の注意点である。 2解法の結論、端点、等号条件を独立に照合し、高校数学の範囲内で完結させた。