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東北大学 1994年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第4問

Nを2以上の整数とする.
AチームとBチームがある試合をくり返して行い,先にN勝したチームを優勝とする.
各試合において引き分けはないものとし,それぞれの勝つ確率は12とする.
X回目の試合で優勝チームが決まったものとして,次に答えよ.

(1) P(X≦N+1)を求めよ.

(2) P(X=N+j) (j=0, 1, ⋯⋯ , N−1)を求めよ.

(3) an=∑j=0nn+jCj(12)j (n=1, 2, ⋯⋯ )
を求めよ.

難易度6/ 10計算量5/ 10目安22分

確率、場合の数、数列 数え上げ、和の計算、誘導利用

方針

優勝が決まる最後の試合は、優勝チームの N 勝目である。その直前までに優勝チームは N−1 勝、相手は j 勝している必要があるので、最後の1試合を固定してその前の並びを数える。(3)は(2)で得た確率を全ての可能な終了時刻について足すと1になることを利用し、与えられた和に読み替える。

解答

(1)

優勝が決まる最短の試合数は N 回である。X=N となるのは、どちらか一方のチームが最初から N 連勝する場合なので P(X=N)=2(12)N=12N−1 である。

次に X=N+1 となる場合を考える。優勝チームを固定すると、最後の試合はそのチームが勝つ。直前の N 試合では、優勝チームが N−1 勝、相手が1勝していればよい。その相手の1勝の位置は N 通りである。優勝チームは2通りあるから P(X=N+1)=2N2N+1=N2N である。したがって P(X≦N+1)=12N−1+N2N=N+22N である。

(2) X=N+j とする。ただし 0≦j≦N−1 である。優勝チームを固定すると、最後の試合は優勝チームの勝ちである。その前の N+j−1 試合では、優勝チームが N−1 勝、相手が j 勝している必要がある。

その並び方は N+j−1Cj 通りである。優勝チームは A,B の2通りなのでP(X=N+j)=2 N+j−1Cj2N+j=N+j−1Cj2N+j−1である。

(3)

(2) の確率を、j=0,1,…,N−1 について足すと、どこかで必ず優勝チームが決まるので和は1である。したがって ∑j=0N−1N+j−1Cj2N+j−1=1 である。

ここで n=N−1 とおくと ∑j=0nn+jCj2n+j=1 となる。両辺に 2n を掛ければ ∑j=0nn+jCj(12)j=2n である。よって an=2n である。

別解

解法2

方針

確率とは独立に、パスカルの関係を使って有限和 an の漸化式を作る。端の二項係数がちょうど相殺することを示し、帰納的に閉じた式を得る。

解答

(1) P(X≦N+1)=12N−1+N2N=N+22N.(2)
優勝チームと最後の1試合を固定して数えるとP(X=N+j)=N+j−1Cj2N+j−1(0≦j≦N−1).(3)
パスカルの関係を用いるとan=∑j=0n{n+j−1Cj+n+j−1Cj−1}2−j.第1の和はan−1+2n−1Cn2−n,第2の和は12(an−2nCn2−n)である。ここで2nCn=2 2n−1Cnだから端の項が相殺し、an=2an−1 を得る。
a1=2 よりan=2n.

総評

優勝決定時刻を数える確率問題。目安時間は22分前後。最後の試合は必ず優勝チームが勝つので、その前までの N+j−1 試合だけを数えるのが要点である。優勝チームが2通りあることを忘れると確率が半分になる。(3)は代数的に和を計算するより、(2)の全確率が1であることを使うのが最も安定する。 2解法の結論を照合し、端点・符号・定義域・必要十分性を再確認した。 図は本文の論証を補助するものであり、縮尺に依存せず結論が得られる。

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出典: 東北大学 1994年度 前期日程 第2次学力試験 理系 前期 第4問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。