方針
(1) は原点まわりの 30∘ 回転の公式をそのまま使う。(2)では回転後の y 座標と積分で与えられた量を等置し、両辺を微分して微分方程式を得る。さらに x=0 を代入して初期値を決める。(3)は 2f(x)−1 を1つの関数として見ると指数関数型に解ける。
解答
(1)
点 (x,y) を原点のまわりに 30∘ 回転すると (xcos30∘−ysin30∘,xsin30∘+ycos30∘) に移る。y=f(x) を代入してP1=(23x−21f(x),21x+23f(x))である。
(2)
条件より、P1 の y 座標について 21x+23f(x)=1+∫0xf(t)dt が成り立つ。両辺を x で微分すると 21+23f′(x)=f(x) である。両辺を2倍して 1+3f′(x)=2f(x) を得る。
また、後で使うために x=0 を代入すると 23f(0)=1 だから f(0)=32 である。
(3)
(2) の微分方程式を 3f′(x)=2f(x)−1 と書く。ここで h(x)=2f(x)−1 とおくと h′(x)=2f′(x)=32{2f(x)−1}=32h(x) である。したがって h(x)=Ce2x/3 である。
初期値 f(0)=2/3 より h(0)=2f(0)−1=34−1 だから 2f(x)−1=(34−1)e2x/3 である。よって f(x)=21+234−3e2x/3 である。
30∘ 回転
別解
解法2
方針
一次微分方程式の定数解を先に取り出し、残りを変数分離する。得た関数を元の積分等式へ代入し、微分で失われた積分定数を初期値が補っていることも確認する。
解答
(1) P1=(23x−f(x),2x+3f(x)).(2)
第2座標の条件を微分して1+3f′(x)=2f(x)を得る。また x=0 を元の等式へ代入するとf(0)=32.(3)
定数解 f=1/2 を取り出しf(x)=21+u(x)とおく。するとu′(x)=32u(x)だからu(x)=Ce2x/3.初期値よりC=32−21=234−3.したがってf(x)=21+234−3e2x/3.この式は微分方程式と x=0 の積分等式を満たすので、元の積分等式も満たす。
総評
回転座標と積分条件を微分方程式へつなぐ問題。目安時間は20分前後。30∘ 回転の y 座標を正しく書くこと、積分方程式を微分した後に x=0 から初期値を取ることが採点点である。解法では 2f−1 をまとめて扱うと、計算が短くなり定数項の処理も間違えにくい。 2解法の結論を照合し、端点・符号・定義域・必要十分性を再確認した。 図は本文の論証を補助するものであり、縮尺に依存せず結論が得られる。
冊子PDFで見る東北大の微分の問題で問題集を作る
出典: 東北大学 1994年度 前期日程 第2次学力試験 理系 前期 第5問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。