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東北大学 1995年度 後期日程 第2次学力試験理系(後期)数学 第4問

放物線y=12x2−1上の
点T(t, t22−1)における法線をltとする.

(1) ltが点P(p, q)を通るとき,p,q,tの満たす関係式を求めよ.

(2) 点P(p, 32)を通る法線ltの本数について調べよ.

(3) 点P(p, q)を通る法線ltがちょうど2本あるとき,
pとqの満たす関係式を求めよ.

難易度8/ 10計算量7/ 10目安30分

微分、図形と方程式 接線・法線、判別式、場合分け

方針

点 T(t,t2/2−1) における接線の傾きは t なので,法線の式を作り,点 P(p,q) を通る条件を t の3次方程式に直す。法線の本数はこの3次方程式の異なる実数解の個数で判定する。(3) はちょうど2本になる条件を重解の存在としてとらえ,F(t)=0 と F′(t)=0 から p,q の関係を消去する。

解答

(1) 放物線 y=12x2−1 の x=t における接線の傾きは t である。t≠0 のとき,法線 lt の傾きは −1/t なので,法線の式は y−(t22−1)=−1t(x−t) である。点 P(p,q) がこの法線上にある条件は q−(t22−1)=−1t(p−t) である。両辺に t を掛けて整理すると tq−t32+t=−p+t すなわち t3−2qt−2p=0 となる。 t=0 のとき,接線は水平で法線は x=0 である。点 P(p,q) がこの法線上にある条件は p=0 であり,上の式に t=0 を代入しても −2p=0 となる。したがって上の関係式は t=0 の場合も含んでいる。

(2) q=3/2 のとき,(1) の式は t3−3t−2p=0 である。ここで h(t)=t3−3t とおくと,方程式は h(t)=2p である。 h′(t)=3t2−3=3(t−1)(t+1) だから,h(t) は t=−1 で極大,t=1 で極小をとる。値は h(−1)=2,h(1)=−2 である。したがって水平線 y=2p との交点数を読むと,法線の本数は{3本(−1<p<1),2本(p=−1, 1),1本(p<−1, 1<p)である。

(3) 一般に F(t)=t3−2qt−2p とおく。法線がちょうど2本あるとは,この3次方程式が異なる実数解をちょうど2つもつことである。3次方程式で異なる実数解がちょうど2つになるのは,重解を1つもち,かつ3重解ではないときである。

重解を t=α とする。このとき F(α)=0,F′(α)=0 である。F′(t)=3t2−2q だから 3α2−2q=0 すなわち q=32α2 である。また F(α)=α3−2qα−2p=0 に代入すると α3−3α3−2p=0 より p=−α3 である。もし α=0 なら p=q=0 となり,F(t)=t3 で3重解になって法線は1本だけである。したがって α≠0,特に q>0 である。 p=−α3,q=32α2 から α を消去すると p2=α6,q3=278α6 である。したがって q>0,8q3=27p2 が求める条件である。

【法線の本数が変わる三次関数】

別解

解法2

方針

3次方程式が異なる2実根をもつ条件を、微分ではなく重解を含む因数分解で表す。重解を α と置くと、2次の係数が0であることから残る根も直ちに決まる。

解答

(1)
法線の方向ベクトルとして (t,−1) と垂直な (1,t) を用いると、
法線上の点 (x,y) は(x,y)=(t,t22−1)+λ(t,−1)と表せる。この直線が P(p,q) を通る条件から λ を消去するとt3−2qt−2p=0を得る。この式は t=0 の場合も含む。

(2)
q=3/2 ではt3−3t−2p=0.h(t)=t3−3t は t=−1 で極大値2、t=1 で極小値
−2 を取る。したがって異なる実数解の個数、すなわち法線の本数は{3本(−1<p<1),2本(p=±1),1本(p<−1 または p>1)である。

(3)
異なる法線がちょうど2本なら、3次式は重解 α と別の実根
β をもちt3−2qt−2p=(t−α)2(t−β)と書ける。左辺の t2 の係数が0だから β=−2α である。
よって(t−α)2(t+2α)=t3−3α2t+2α3.係数比較によりq=32α2,p=−α3.α=0 では3重解になり法線は1本だけなので α≠0、
したがって q>0 である。消去すると8q3=27p2.逆にこの2条件のもとでは α≠0 を取れて上の因数分解が成立し、
α と −2α は異なる。ゆえに必要十分条件はq>0,8q3=27p2である。

総評

難度は10段階中8、計算量は10段階中7。目安時間は30分。法線の本数を直接図で数えるのではなく,通過条件を t の3次方程式に変換するのが核心である。(2) は t3−3t の増減表を描けば本数が読める。(3) は「ちょうど2本」を「重解をもつが3重解ではない」と翻訳する必要があり,F=0 と F′=0 の連立から q>0 と 8q3=27p2 を同時に出すのが山場である。 2解法の結論を照合し、端点・符号・定義域・必要十分性を再確認した。図を含む場合は本文との対応と縮尺に依存しない論証も確認している。

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出典: 東北大学 1995年度 後期日程 理系 第4問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。