方針
(1) は二つの放物線の交点を求め,上側から下側を引いて積分する。(2) は直線 y=x+k を動かす問題を,図形 S 上での量 k=y−x の値域問題に直す。S は連結な閉領域なので,境界上での最大・最小を調べればよく,下側放物線と上側放物線それぞれで y−x の範囲を確認する。
解答
(1)
交点は x2=−21x2+23x+3 より x=−1, 2 である。したがって面積は ∫−12(−21x2+23x+3−x2)dx=427 である。
(2)
直線y=x+kがSと交わる条件は、S上でk=y−xがとる値の範囲にkが入ることである。下側の放物線では y−x=x2−x で、−1≦x≦2における最小値は−1/4、最大値は2である。上側の放物線では y−x=−21x2+21x+3 で、最大値はx=1/2のとき25/8である。よって範囲全体は −41≦k≦825 である。
詳しい確認を加える。S は二つの曲線に挟まれた閉領域であり,y−x は連続関数であるから,その最大値・最小値は境界上で生じる。下側境界 y=x2 では y−x=x2−x=(x−21)2−41 なので,最小値は −1/4,端点 x=−1,2 での値はいずれも 2 である。上側境界ではy−x=−21x2+21x+3=−21(x−21)2+825であり,最大値は 25/8 である。したがって k の範囲は下限 −1/4 から上限 25/8 まで連続的にすべて実現する。
別解
解法2
方針
(1) は2曲線の差を交点で因数分解して積分する。(2)は傾き1の直線を平行移動し、下側・上側の放物線へ接する限界位置を判別式または頂点から求める。
解答
(1)
二曲線の差は−21x2+23x+3−x2=−23(x+1)(x−2)であり、交点の x 座標は −1,2 である。よってS=∫−12−23(x+1)(x−2)dx=427.(2)
直線 y=x+k を下方から上方へ動かす。最初に領域へ触れるのは下側の放物線 y=x2 へ接するときである。x2=x+kが重解を持つ条件から1+4k=0,k=−41.最後に領域から離れるのは上側の放物線へ接するときである。k=−21x2+21x+3=−21(x−21)2+825より、その位置は k=25/8 である。領域は連結で境界を含むので、その間の位置はすべて共有点を持つ。したがって−41≦k≦825.
総評
面積計算と平行移動する直線族の接触範囲を組み合わせた標準問題である。所要時間は14分程度。(2) では k=y−x と読み替えると,領域上の連続関数の最大・最小問題になる。下側境界の最小値と上側境界の最大値を取り違えないこと。別解のように接線条件で見ると図形的意味が明確になる。
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出典: 東北大学 1998年度 前期 文系 第1問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。