方針
f(m) は am,bm の相加平均の対数,g(m) は幾何平均の対数である。まず g(m+n)=g(m)+g(n) を直接確認する。次に f(m)>g(m) は相加平均と幾何平均の大小で示し,最後に f(m+n)>f(m)+f(n) は対数を外して正数の不等式に戻し,展開差を (bm−am)(bn−an) に因数分解する。
解答
まず g(m+n)=2logam+n+logbm+n=g(m)+g(n) である。また相加平均は幾何平均より大きいので f(m)>g(m),f(n)>g(n) であり、したがって f(m)+f(n)>g(m+n)=g(m)+g(n) である。
さらに 2am+n+bm+n>4(am+bm)(an+bn) は 2am+n+2bm+n>am+n+ambn+anbm+bm+n すなわち am+n+bm+n>ambn+anbm と同値であり、これは (bm−am)(bn−an)>0 から成り立つ。よって f(m+n)>f(m)+f(n)>g(m+n)=g(m)+g(n) である。
補足すると,対数は増加関数なので,正の数どうしの大小を比較してから対数を取ってよい。特に 2am+n+bm+n>4(am+bm)(an+bn) を示せば,両辺の常用対数を取って f(m+n)>f(m)+f(n) が従う。差を計算すると 2(am+n+bm+n)−(am+bm)(an+bn)=(bm−am)(bn−an)>0 であり,0<a<b だから確かに正である。等号が成り立つのは g(m+n)=g(m)+g(n) だけで,f を含む二つの不等号は厳密である。
別解
解法2
方針
各指数で現れる2数を一度文字に置き、相加平均・相乗平均と積の展開差だけで三つの比較を独立に示す。
解答
A=am, B=bm, C=an, D=bn と置く。0<a<b より0<A<B,0<C<D.まずg(m+n)=g(m)+g(n)は対数法則から直ちに分かる。
相加平均と相乗平均より2A+B>AB,2C+D>CD.両辺の対数を取り、加えるとf(m)+f(n)>g(m)+g(n).また2(AC+BD)−(A+B)(C+D)=AC+BD−AD−BC=(B−A)(D−C)>0.したがって2AC+BD>2A+B⋅2C+D,両辺の対数を取ってf(m+n)>f(m)+f(n).以上よりf(m+n)>f(m)+f(n)>g(m+n)=g(m)+g(n).
総評
平均の大小と対数の単調性を使う問題である。所要時間は10分程度。f(m)>g(m) だけでなく,f(m+n) と f(m)+f(n) の比較では積の形を展開して因数分解する必要がある。常用対数か自然対数かは単調性には影響しないが,対数を取る前の正数比較を明確に書くとよい。
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出典: 東北大学 1998年度 前期 文系 第2問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。