方針
正四面体の各面の重心をベクトルで表し、直線 と の交点が4頂点の重心であることを確認する。(1)(2)はその重心表示からすぐに出る。(3)は点 を基準にして を展開し、一次の項が(2)により消えることを使う。あとは、点 が四面体の面上を動くときの の最小値と最大値を、面への垂線の足と頂点で求める。
解答
(1) は の重心であるからである。四面体の4頂点の重心を とすればであり、この点は直線 上にある。
また、 は の重心なので、同じ点 は直線 上にもある。したがって、問題の交点 は四面体の重心である。よってである。
(2) は4頂点の重心であるから、 を基準にした4つの位置ベクトルの和は0である。すなわちである。
(3) を原点とする位置ベクトルで考える。各頂点の位置ベクトルを 、点 の位置ベクトルを とすると、(2)より である。したがって正四面体の1辺は2である。正四面体の高さは であり、重心は頂点から底面への中線を に分ける。したがって であるから である。よって となる。
点 が面上を動くとき、 の最小は、 からいずれかの面へ下ろした垂線の足で起こる。その距離は高さの なのでである。一方、面上で が最大となるのは頂点であり、 である。
したがって より、求める範囲は である。
別解
解法2
方針
正四面体を重心が原点になる対称な4座標で表す。距離平方和は重心まわりの恒等式で処理する。
解答
(1)
4頂点の重心を とすれば面の重心を結ぶ2本の中線 はこの点を通るので、問題の はこの重心である。
(2)
重心の定義から(3)
を原点としてと置ける。各辺長は2で、各頂点までの距離平方は である。任意の について面上で の最小は面の中心で 、最大は頂点で である。よって
総評
四面体の重心をベクトルで扱う標準的な空間図形問題である。目安時間は18分程度。(1)(2)は重心の位置ベクトルを正しく書ければ短い。(3)では平方和を展開したときに一次の項が消えることが中心で、ここを説明すると答案の見通しがよくなる。最小値は面への垂線の足、最大値は頂点で起こるため、重心から面までの距離と重心から頂点までの距離を区別して計算する。