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東北大学 1999年度 後期日程 第2次学力試験理系(後期)数学 第3問

1からnまでの番号をつけたn枚のカードがある.
これらn枚のカードをABCの3つの箱に分けて入れる.
ただし,どの箱にも少なくとも1枚は入れるものとする.

(1) 入れ方は全部で何通りあるか.
(2) 自然数l2lnをみたすとする.
1klである各整数kについて2k12kの番号のカードをペアと考える.
どれかの箱に少なくとも1つのペアが入る場合の数をnlを用いて表せ.

難易度6/ 10計算量5/ 10目安16

場合の数 包除原理、数え上げ、余事象

方針

(1) は各カードを3箱へ入れる全体から、空箱がある場合を包除原理で除く。(2)は求める事象を直接数えるより、どのペアも同じ箱に入らない余事象を数える。まず空箱条件を無視すれば、各ペアは2枚を異なる箱に入れるので 32 通り、残りのカードは自由である。そこから、空箱が1つある場合を引いて、非空条件を満たす余事象を得る。最後に(1)から引く。

解答

(1)
各カードは A,B,C の3つの箱のいずれかに入るので、空箱を許せば 3n 通りである。

少なくとも1つの箱が空である場合を引く。ある1つの箱を空にする方法は3通りで、そのとき各カードは残り2箱のどちらかに入るので 2n 通りである。ただし、2つの箱が空である場合、つまり全カードが1つの箱に入る場合は二重に引かれている。これは3通りである。したがって、どの箱にも少なくとも1枚入る入れ方は 3n32n+3 通りである。

(2)
(1)で数えた入れ方のうち、どれかの箱に少なくとも1つのペアが入る場合を求める。余事象として、「どのペアも同じ箱に入らない」場合を数える。

まず空箱条件を考えない。各ペア (2k1,2k) について、2枚を異なる箱に入れる方法は 32=6 通りである。ペアは l 個あるので 6l 通りであり、残りの n2l 枚は自由に3箱へ入れられるので 6l3n2l 通りである。

この中から、空箱があるものを除く。例えば箱 A が空であるとする。このとき各ペアの2枚は、箱 B,C に1枚ずつ入らなければならないので、各ペアについて2通りである。また、残りの n2l 枚は箱 B,C のどちらかに入るので 2n2l 通りである。したがって、指定した1つの箱が空で、かつどのペアも同じ箱に入らない場合は 2l2n2l=2nl 通りである。空にする箱は3通りある。

2つの箱が空である場合は、ペアの2枚を異なる箱に入れることができないため起こらない。よって、どのペアも同じ箱に入らず、かつ3箱すべてが非空である入れ方は 6l3n2l32nl 通りである。

したがって求める場合の数は、(1)からこの余事象を引いて 3n32n+36l3n2l+32nl である。

別解

解法2

方針

ペアが同じ箱に入る事象について包含排除を直接行う。選んだペアを1枚の超カードとみなす。

解答

(1)

包除原理より、3箱すべてを使う入れ方は3n32n+3.(2)

j 個の指定したペアがそれぞれ同じ箱に入るとする。この j ペアを各1個のまとまりと見れば、独立な対象は nj 個である。3箱すべてを使う入れ方は3nj32nj+3.したがってペア事象の包含排除により求める数はj=1l(1)j+1lCj(3nj32nj+3).二項展開で整理すると3n32n+32l3nl+32nl.2l3nl=6l3n2lだから3n32n+36l3n2l+32nl.

総評

箱への分配を包除原理で扱う問題である。目安時間は16分程度。(1)は標準的な非空箱の数え上げである。(2)は「少なくとも1つのペアが同じ箱」を直接数えると重複が複雑になるため、どのペアも同じ箱に入らない余事象を使うのが自然である。空箱禁止条件を最後まで維持する必要があり、余事象を数えたあとに空箱1つの場合を引く点が得点差になりやすい。

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出典: 東北大学 1999年度 後期 理系 第3問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。