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東北大学 2000年度 後期日程理系(後期)数学 第5問

abrは正の定数とする.
xy平面上で,点PQをそれぞれx軸,y軸上にとりPQ=rとする.
線分PQP側へ延長してAP=aとなる点Aをとり,
また,線分PQQ側へ延長してBQ=bとなる点Bをとる.
次の問いに答えよ.

(1)PQがそれぞれx軸上,y軸上を動くとき,
Aが描く曲線をC1,点Bが描く曲線をC2とする.
曲線C1C2の方程式をabrを用いて表せ.

(2) r=2(31)a=2b=2のときに
曲線C1に囲まれる領域と,曲線C2に囲まれる領域の重なり合う部分の面積を求めよ.

難易度8/ 10計算量7/ 10目安36

図形と方程式積分 軌跡面積計算対称性の利用

方針

PQ=r なので、PQ の位置を P=(rcosθ,0)Q=(0,rsinθ) とおく。線分 PQ の延長方向を使って A,B の座標を表せば、cosθsinθ を消去して2つの楕円が得られる。指定値では2つの楕円が対称になり、共通部分は4象限で同じなので、第1象限で上側境界が切り替わる交点 (3,3) を境に積分する。

解答

(1) Px 軸上、Qy 軸上に取り PQ=r とする。向きを表すために P=(rcosθ,0),Q=(0,rsinθ) とおく。PQ=(rcosθ,rsinθ) である。 APQP 側へ延長し、AP=a となる点なので A=P+ar(PQ)=((r+a)cosθ,asinθ) である。したがって A=(x,y) とおけば x2(r+a)2+y2a2=cos2θ+sin2θ=1 であり、C1:x2(r+a)2+y2a2=1 である。

同様に、BPQQ 側へ延長し、BQ=b となる点なので B=Q+br(QP)=(bcosθ,(r+b)sinθ) である。したがって C2:x2b2+y2(r+b)2=1 である。

(2) r=2(31)a=b=2 のとき r+a=23,r+b=23 である。したがってC1:x212+y24=1,C2:x24+y212=1である。

2つの楕円は x 軸、y 軸および直線 y=x に関して対称である。第1象限の交点を求めると、2式を引いて(11214)x2+(14112)y2=0より x2=y2 で、第1象限では x=y である。これを C1 に代入して x212+x24=1 だから x2=3 であり、交点は (3,3) である。

第1象限で、0x3 では C1 の上側が低く、3x2 では C2 の上側が低い。よって共通部分の面積は4{0321x212dx+32231x24dx}である。

第1の積分では x=23sinu とおく。x=0 から 3 までで u0 から π/6 まで動くので0321x212dx=430π/6cos2udu=3π3+32である。第2の積分では x=2sinu とおくと、uπ/3 から π/2 まで動くので32231x24dx=43π/3π/2cos2udu=3π332である。

したがって第1象限の面積は 23π3 であり、全体の面積はその4倍だから 83π3 である。

別解

解法2

方針

指定値では原点中心の2楕円になるので極座標で共通部分の動径を比較する。直線 θ=π/4 で境界が切り替わる。

解答

(1) P=(rcosθ,0),Q=(0,rsinθ)とおく。延長方向からA=((r+a)cosθ,asinθ),B=(bcosθ,(r+b)sinθ).よってC1: x2(r+a)2+y2a2=1,C2: x2b2+y2(r+b)2=1.(2)
指定値ではC1:x212+y24=1,C2:x24+y212=1.極座標 x=ρcosθ, y=ρsinθ ではρ12=12cos2θ+3sin2θ,ρ22=123cos2θ+sin2θ.第1象限の 0θπ/4 では ρ2ρ1 であり、残りは対称である。
したがって第1象限の共通面積は0π/4123cos2θ+sin2θdθ.u=tanθ とおけば1201du3+u2.さらに u=3tanφ とおくと,u=0,1 はそれぞれ φ=0,π/6 に対応する。よって1201du3+u2=430π/6dφ=23π3.全体はその4倍だから83π3.

総評

難度は10段階中8、計算量は10段階中7。目安は36分。(1)では延長方向をベクトルで表すと、楕円の長半径・短半径が自然に出る。AB の符号が逆になるため、座標を暗算で置くと間違いやすい。(2)は2つの楕円の共通部分で、対称性により第1象限だけ積分すればよい。交点 (3,3) で上側境界が切り替わること、2つの積分の ±3/2 が打ち消し合うことが計算の検算になる。 2つの解法は標準的な答案手順と、構造を使って検算できる別経路に分けた。等号条件、範囲、必要性と十分性を明示し、積分・総和・極限および主要な分数は読みやすい表示形式に統一した。

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出典: 東北大学 2000年度 後期日程 数学 第5問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。