Evolton

東北大学 2001年度 後期日程文系(後期)数学 第4問

abを実数とし,f(x)=x22ax+bとする.f(x)=1を満たす実数xの個数をNとする.

(1) a0のとき,Nの最大値を求めよ.

(2) N=6となるような点(a,b)の範囲をab平面上に図示せよ.

難易度7/ 10計算量6/ 10目安25

方程式・不等式関数 絶対値の処理、場合分け、範囲評価

方針

u=x と置くと u0 上の放物線 g(u)=u22au+b と2本の水平線 y=1,1 の交点数を数える問題になる。正の u 解は x=±u の2解に対応し、u=0 解は1解だけに対応する。(1)は a0 で単調増加。(2)は a>0 として、2本の水平線との正の交点数が合計3になる条件を調べる。

解答

u=x(u0) とおくと f(x)=u22au+b である。正の解 u>0x=±u の2つの解に対応し、u=0x=0 の1つの解に対応する。

(1) a0 のとき g(u)=u22au+b とおくと g(u)=2u2a0(u0) である。したがって g(u)u0 で単調増加である。

よって方程式 g(u)=1 は高々1個の正の u 解をもち、方程式 g(u)=1 も高々1個の正の u 解をもつ。正の u 解1個は実数 x の2解に対応するので、最大でも 2+2=4 個である。

実際、例えば b<1 とすれば、g(u)=1g(u)=1 はそれぞれ正の解を1個もつ。したがって最大値は 4 である。

(2) N=6 となるには、u>0 の解が合計3個あり、u=0 の解は出ないことが必要である。u=0 の解があると、解の個数が奇数になるためである。 a0 では(1)より最大4個なので、a>0 とする。放物線 g(u)=u22au+b=(ua)2+ba2u=a で最小値 ba2 をとる。

水平線 y=1 との正の交点数を考える。b>1 かつ b<a2+1 のとき2個、b<1 のとき1個である。境界 b=1 では u=0 が出るので、N=6 には使えない。

水平線 y=1 との正の交点数は、1<b<a21 のとき2個、b<1 または b=a21 のとき1個である。境界 b=1 では u=0 が出るので除く。

合計で正の u 解が3個になるのは、次の2通りである。

第一に、g(u)=1 が正の解1個、g(u)=1 が正の解2個をもつ場合である。これは a>0,1<b<1,b<a21 である。

第二に、g(u)=1 が正の解2個、g(u)=1 が正の解1個をもつ場合である。これは接する場合 b=a21 で、さらに b>1 が必要だから a>2,b=a21 である。

したがって、N=6 となる範囲は a>0, 1<b<1, b<a21a>2, b=a21 の和集合である。図示すると、帯 1<b<1 のうち放物線 b=a21 より下側にある a>0 の部分と、放物線 b=a21 上で b>1 となる部分である。

別解

解法2(正の根の個数表)

方針

u=x として、水平線 1,1 ごとに
2次方程式を解く。解 u=a± のうち正のものの個数を
a,b の条件別に表へ整理する。

解答

(1)

u=x0 とおきg(u)=(ua)2+ba2とする。a0 なら gu0 で単調増加する。
g(u)=1,1 はそれぞれ高々1個の正の根をもち、
各正根は x=±u の2解を与える。したがって N4
b<1 なら両方の方程式が正根を1個ずつもつので、最大値は4である。

(2)

N=6 には a>0 が必要である。g(u)=1    u=a±a2b+1,g(u)=1    u=a±a2b1.正根の個数を整理すると方程式正根が2個となる条件g(u)=11<b<a2+1g(u)=11<b<a21である。正根が合計3個になるのは次の2場合である。a>0,1<b<1,b<a21,またはa>2,b=a21.境界 b=±1 では u=0 が1個の x 解しか与えないので除く。
したがって、上の開領域と放物線上の半直線が求める図示範囲である。

総評

難度7、計算量6。絶対値を u=x に置き換え、u>0 の解が2つの x に対応することを使うのが核心である。u=0 は1解だけなので、境界 b=±1 を不用意に含めると個数がずれる。水平線 1,1 と放物線の交点数を分けて数え、合計3個の正の u 解になる条件を整理する。目安は25分程度。 2つの解法は標準的な答案手順と、構造を使って検算できる別経路に分けた。等号条件、範囲、必要性と十分性を明示し、積分・総和・極限および主要な分数は読みやすい表示形式に統一した。

冊子PDFで見る東北大の方程式・不等式の問題で問題集を作る

出典: 東北大学 2001年度 後期 数学 第4問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。