Evolton

東北大学 2002年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第4問

t≧1において,関数f(t)=∫−11∣(x−t+2)(x+t)∣dxを最小にするtの値と,そのときの最小値を求めよ.

難易度6/ 10計算量6/ 10目安20分

積分、関数 絶対値の処理、場合分け、微分による最大最小

方針

被積分関数の符号は2つの零点 −t、t−2 の位置で決まる。t≧1 では −t は区間 [−1,1] の外または端点にあり、t−2 だけが 1≦t≦3 で区間内に入る。したがって 1≦t≦3 と t≧3 に分け、絶対値を外して積分し、得た式を微分して最小値を調べる。

解答

被積分関数の中身を ϕ(x)=(x−t+2)(x+t) とおく。零点は x=t−2,x=−t である。t≧1 なので、−t≦−1 である。また t−2 は 1≦t≦3 のとき区間 [−1,1] に入る。

場合1:1≦t≦3
このとき [−1,t−2] では ϕ(x)≦0、[t−2,1] では ϕ(x)≧0 である。よって f(t)=∫−1t−2−ϕ(x) dx+∫t−21ϕ(x) dx である。ここで ϕ(x)=x2+2x+2t−t2 だから、計算すると f(t)=23(2t3−9t2+12t−1) である。したがって f′(t)=4(t−1)(t−2) となる。1≦t≦3 では、t=2 で最小となり f(2)=2 である。

場合2:t≧3
このとき t−2≧1 なので、区間 [−1,1] 全体で ϕ(x)≦0 である。したがって f(t)=∫−11−ϕ(x) dx=23(3t2−6t−1) である。この式の導関数は 4t−4 であり、t≧3 では正である。よってこの範囲での最小は t=3 のときで、値は 16/3 である。

以上より、全体の最小は場合1の t=2 で得られ、最小値は2である。したがって t=2,min⁡f(t)=2 である。

絶対値の符号分割

別解

解法2

方針

u=x+1, s=t−1 と置くと、積分区間は 0≦u≦2、被積分式は ∣u2−s2∣ になる。零点 u=s が区間内にあるかで分け、一変数多項式を最小化する。

解答

u=x+1,s=t−1≧0と置けばf(t)=∫02∣u2−s2∣ du.0≦s≦2 ではf(t)=∫0s(s2−u2) du+∫s2(u2−s2) du=43s3−2s2+83.微分すると 4s(s−1) だから、この範囲の最小は s=1 で、値は2である。

s≧2 ではf(t)=∫02(s2−u2) du=2s2−83で単調増加する。したがって全体の最小はs=1,t=2,f(t)=2である。

総評

難度は10段階中6、計算量は10段階中6。目安時間は20分。採点ポイントは、零点 −t と t−2 の位置を正しく場合分けすること、絶対値を外した積分区間を答案に明記すること、t=3 で式が切り替わることを確認することである。誤りやすいのは、−t も常に区間内にあると思い込むこと、また t≧3 の範囲の確認をせず 1≦t≦3 の最小だけで終えることである。

冊子PDFで見る東北大の積分の問題で問題集を作る

出典: 東北大学 2002年度 前期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。