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東北大学 2003年度 後期日程 第2次学力試験文系(後期)数学 第3問

放物線Ca,b:y=(xa)2+bと放物線y=x2とで囲まれる部分の面積をSとする.

(1) S=98のとき,baの式で表せ.

(2) ある放物線C:y=mx2+nx+p (m0)は(1)を満たすどのCa,bとも1点だけを共有しているという.
Cを求めよ.

難易度6/ 10計算量5/ 10目安30

積分図形と方程式 面積計算判別式文字消去

方針

まず2つの放物線の上下関係を、平方完成した差で把握する。交点間の面積は中心を x=a/2 に移して偶関数の積分にすれば短く求められる。(2)では(1)で得た1変数族の放物線と固定された放物線の交点方程式を作り、すべての a で解がただ1つになるように判別式を恒等的に0にする。なお2次方程式でなくなる場合も例外として確認する。

解答

(1)
2つの放物線の差をとると {(xa)2+b}x2=2(xa2)2+ba22 である。囲まれる部分ができるには 2ba2>0 が必要である。ここで h=2ba2 とおくと、差は 2(xa2)2+h2 であり、交点は x=a2±h2 である。X=xa/2 とおくと、面積 SS=h/2h/2(h22X2)dX=20h/2(h22X2)dX=2[h2X23X3]0h/2=h3/23である。S=9/8 より h3/23=98 だから h3/2=278,h=94 である。したがって 2ba2=94 となり、求める式は b=a22+98 である。

(2)
(1)を満たす放物線は y=(xa)2+a22+98=x2+2axa22+98 である。これと C:y=mx2+nx+p との交点の x 座標は (m+1)x2+(n2a)x+p+a2298=0 を満たす。

もし m=1 なら、この式は (n2a)x+p+a2/29/8=0 となる。a=n/2 とすると x の係数が消え、解がないか、またはすべての x が解になるため、共有点がちょうど1点とはいえない。よって m1 である。

したがって、すべての a について共有点が1点だけであるためには、この2次方程式の判別式が a の恒等式として0でなければならない。判別式を D とすると D=(n2a)24(m+1)(p+a2298) =2(1m)a24na+n24(m+1)(p98) である。これがすべての a で0になるので、係数比較により 2(1m)=0,4n=0,n24(m+1)(p98)=0 である。したがって m=1,n=0,p=98 を得る。

実際、このとき y=x2+98 であり、(1)の放物線との差は(x2+98)(x2+2axa22+98)=2(xa2)2となるから、各 a について x=a/2 の1点だけを共有する。よって C:y=x2+98 である。

放物線族の包絡線

別解

解法2

方針

(1) は交点間の放物線弓形を、底辺幅と高さの1変数で積分する。(2)では(1)の放物線族を a について平方完成し、その包絡線が y=x2+9/8 であることを見抜く。最後に一般の二次式との判別式で一意性を確認する。

解答

(1)
二つの放物線の差は2(xa2)2+ba22.h=2ba2>0 とおくと、交点はx=a2±h2であり、面積はS=h/2h/2(h22X2)dX=h3/23.S=9/8 より h=9/4。したがってb=a22+98.(2)
(1)の放物線族を Fa(x) とするとFa(x)=x2+2axa22+98=x2+9812(a2x)2.したがって各 a の放物線はy=x2+98x=a/2 で接する。この包絡線が求める候補である。

一般の C:y=mx2+nx+pFa の交点方程式の判別式をすべての a で0とすると2(1m)a24na+n24(m+1)(p98)0.係数比較からm=1,n=0,p=98.よってC:y=x2+98.

総評

面積公式を覚えているかよりも、差を平方完成して交点と高さを同時に把握できるかが重要である。(1)で 2ba2 を正しく取り出せると、(2)は判別式の係数比較に自然につながる。目安時間は30分前後。(2)では m=1 のときだけ2次方程式でなくなるため、この例外を一言確認しておくと答案の完成度が高い。典型的な失点は、面積の積分範囲をずらしたまま計算すること、または「すべての a」という条件を特定の a だけの接点条件にしてしまうことである。

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出典: 東北大学 2003年度 後期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。