方針
(1) は n=1 と n≧2 で (ex−e−x)n−1 の x=0 における値が変わることに注意して微分する。(2)は (ex−e−x)n を二項定理で展開し、微分して x=0 を代入する。指数関数を使わない確認として、(1−x)n の微分から同じ和を読む方法もある。
解答
(1) n=1 のとき f(x)=ex−e−x だから f′(x)=ex+e−x,f′(0)=2 である。 n≧2 のときは f′(x)=n(ex−e−x)n−1(ex+e−x) である。x=0 では e0−e0=0 であり、n−1≧1 だから f′(0)=0 である。したがってf′(0)={20(n=1),(n≧2)である。
(2)
二項定理より(ex−e−x)n=k=0∑nnCk(ex)n−k(−e−x)k=k=0∑nnCk(−1)ke(n−2k)xである。両辺を x で微分するとf′(x)=k=0∑nnCk(−1)k(n−2k)e(n−2k)xである。ここで x=0 を代入するとf′(0)=k=0∑nnCk(−1)k(n−2k)となる。これと(1)の結果を比べてk=0∑nnCk(−1)k(n−2k)={20(n=1),(n≧2)を得る。
微分値と二項和
別解
解法2
方針
(1) は ex−e−x=2x+O(x3) の一次項を見る。(2)は二項係数の二つの基本和を (1−z)n とその導関数から求め、指数関数を使わずに整理する。
解答
(1) ex−e−x=2x+O(x3)だから(ex−e−x)n=2nxn+O(xn+2).したがって一次の係数、すなわち f′(0) はf′(0)={20(n=1),(n≧2).(2)H(z)=(1−z)n=k=0∑nnCk(−1)kzkとおく。求める和を Sn とすればSn=nk=0∑nnCk(−1)k−2k=0∑nknCk(−1)k=nH(1)−2H′(1).n≧2 ではH(1)=0,H′(1)=−n(1−1)n−1=0だから Sn=0。n=1 では直接S1=1+1=2.よって指定された等式が成り立つ。
総評
(1) がそのまま(2)の評価になる、誘導の意図がはっきりした問題である。目安時間は15〜20分。答案では n=1 と n≧2 の分岐を省かないこと、二項展開後の指数が (n−2k)x になることを正確に書くことが重要である。別解の (1−x)n を使う方法でも示せるが、本問では(1)を活用する解法が最も自然で、採点者にも流れが伝わりやすい。
冊子PDFで見る東北大の指数・対数の問題で問題集を作る
出典: 東北大学 2003年度 後期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。