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東北大学 2004年度 後期日程 第2次学力試験理系(後期)数学 第5問

媒介変数tを用いてx=x(t)=et+e−t2,y=y(t)=et−e−t2と表される曲線Cを考える.
ただし,eは自然対数の底である.点(0, 1)をAで表す.

(1) 曲線C上の点(x(a), y(a))における接線が点Aを通るとする.aの値を求めよ.

(2) 曲線C上の点(x(t), y(t))と点Aを結ぶ線分の長さLが最小となるような
tの値をbとする.bを求めよ.

(3) a,bは(1),(2)のものとして,C上の2点P(x(a), y(a)),Q(x(b), y(b))を考える.
曲線Cと2つの線分AP,AQで囲まれる図形の面積Sを求めよ.

難易度7/ 10計算量7/ 10目安30分

指数・対数、積分、図形と方程式 接線・法線、微分による最大最小、面積計算

方針

与えられた曲線は x=cosh⁡t, y=sinh⁡t であり、x2−y2=1 を満たす右枝である。(1)は接線の式 xcosh⁡a−ysinh⁡a=1 に点 A を代入する。(2)は距離の2乗を微分し、cosh⁡t>0 から sinh⁡t=1/2 を得る。(3)は P,Q の座標を明確に出し、境界を P→Q の曲線弧、Q→A、A→P と反時計回りにたどって、媒介変数表示の面積公式で計算する。

解答

(1)
定義からx′(t)=et−e−t2=y(t),y′(t)=et+e−t2=x(t)であり、恒等式x(t)2−y(t)2=1が成り立つ。点 (x(a),y(a)) における接線はx(a)x−y(a)y=1である。これが A(0,1) を通る条件は −y(a)=1、すなわちea−e−a2=−1である。u=ea>0 とおくと u2+2u−1=0 だからea=2−1,a=log⁡(2−1)である。

(2)
距離の2乗はL2=x(t)2+{y(t)−1}2である。微分するとddtL2=2x(t)x′(t)+2{y(t)−1}y′(t)=2x(t){2y(t)−1}.x(t)>0 であるから、符号が変わるのは y(t)=12 のときである。
y(t) は単調増加なので、ここで L2 は減少から増加に変わり、最小となる。
v=eb>0 とおけばv−v−12=12より v2−v−1=0 である。したがってeb=1+52,b=log⁡1+52である。

(3)
(1)より y(a)=−1、(2)より y(b)=12 である。また
x(t)2−y(t)2=1 と x(t)>0 からP=(2,−1),Q=(52,12)である。

境界を P から Q まで曲線に沿い、次に Q から A、最後に
A から P へ進む。曲線部分の面積への寄与は12∫ab{x(t)y′(t)−y(t)x′(t)} dt=12∫ab{x(t)2−y(t)2} dt=12(b−a).線分 QA の寄与は 54、線分 AP の寄与は
−22 である。よってS=12(b−a)+54−22.ここで −a=log⁡(1+2) だから、S=−22+54+12log⁡(1+2)+12log⁡1+52である。

条件・検算

高校課程外の双曲線関数記号を使わず、指数関数の式だけで接線・距離・面積を導いた。

総評

難度7、計算量7。目安時間は35〜40分。前半は双曲線 x2−y2=1 と見れば標準的で、接線条件・距離最小条件はいずれも1変数計算に落ちる。後半の面積がこの問題の山で、P,Q の座標を先に確定し、境界をどの向きにたどるかを明示することが大切である。曲線部分の xy′−yx′ が x2−y2=1 に簡約されるため、見た目ほど計算は重くない。符号を誤ると面積の線分寄与 5/4 と −2/2 が逆になるので、反時計回りの向きを図で確認してから式に入るとよい。

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出典: 東北大学 2004年度 後期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。