方針
与式の分母を通分して、まず z2−2wz+1=0 を得る。これを平方完成すると (z−w)2=w2−1 となり、w=u+vi の実部・虚部で表せる。
(2) は u=0 のとき右辺が負の実数になることから z−w が純虚数であると読む。(3) は w2 の実部が1という条件で (z−w)2 が純虚数になるため、その平方根を明示して x を求める。
解答
(1)
与えられた式を通分するとz−i1+z+i1=(z−i)(z+i)(z+i)+(z−i)=z2+12zである。したがって z2+12z=w1 であり、w=0 だから 2wz=z2+1 すなわち z2−2wz+1=0 である。平方完成すると (z−w)2=w2−1 である。
ここで w=u+vi とすれば w2=(u2−v2)+2uvi であるから、(z−w)2=(u2−v2−1)+2uvi である。
(2) u=0 とする。このとき w=vi は純虚数であり、(1) より (z−w)2=−v2−1 である。右辺は負の実数であるから、z−w は純虚数である。実際、(ρ+σi)2 が負の実数となるには、ρ=0 が必要である。 w も純虚数で、z−w も純虚数なので、z=w+(z−w) も純虚数である。したがって z の実部は x=0 である。
(3) w2 の実部が 1 なので u2−v2=1 である。u>0、v>0 より v=u2−1 であり、特に u>1 である。
(1) の式はこの条件のもとで (z−w)2=2uvi となる。(1+i)2=2i だから、z−w=±uv(1+i) である。したがって実部を比べると x=u±uv である。v=u2−1 を代入して x=u±uu2−1 である。
条件・検算
平方根の2候補を落とさず、u>0,v>0,u2−v2=1 から u>1 となる定義域も明示した。
別解
解法2(実部・虚部と偏角)
方針
基本式 (z−w)2=w2−1 までは同じに導く。(2) は z=x+yi を代入して虚部の式から直接示し、(3) は右辺が正の純虚数になることから偏角を用いて平方根の2候補を求める。
解答
(1)
通分するとz2+12z=w1だからz2−2wz+1=0,(z−w)2=w2−1.w=u+vi を代入して(z−w)2=(u2−v2−1)+2uviである。
(2)
u=0 とし、z=x+yi、w=vi とおく。このとき{x+(y−v)i}2=−v2−1.虚部を比較すると2x(y−v)=0.もし x=0 なら y=v であるが、実部は x2=−v2−1<0 となって矛盾する。よって x=0 である。
(3)
u2−v2=1、u>0、v>0 なのでv=u2−1,u>1.(1)より(z−w)2=2uvi.右辺の偏角は 90∘ だから、平方根の偏角は
45∘ または 225∘ である。また絶対値は
2uv なのでz−w=±uv(1+i).実部を比較してx=u±uv=u±uu2−1である。
総評
複素数の分数条件を2次方程式へ変形する問題で、目安時間は18分程度。最初に z2−2wz+1=0 を作ると、以後は (z−w)2=w2−1 の読み替えだけで進む。(2) は「平方が負の実数なら元は純虚数」という事実を明示する。(3) は u>0,v>0 により平方根の大きさ uv が正と分かるため、2つの x を落とさず答えることが重要である。
冊子PDFで見る東北大の複素数平面の問題で問題集を作る
出典: 東北大学 2004年度 前期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。